9月議会一般質問より 今後の図書館政策について

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9月定例会、一般質問二日目に、私が質問した内容をまとめました。
(「橿原市の新型コロナウィルス対策」の質問内容については、後日アップしたします)

橿原市立図書館の貸出数は上限5冊です。いまはコロナ禍で特別に貸出数を上限10冊にしていますが、県内では普段から10冊の市町村が多く、橿原市でも常に上限を10冊とするよう要望しました。担当部長より「前向きに上限緩和を検討したい」と答弁いただきました!

図書館は、こどもから高齢者まで無料で利用できる身近な施設です。

近年、単に「本を借りる場所」ではなく「人と人が交流する場所」「新しい発想や出会いをもたらす場所」として、図書館をまちづくりの拠点とする自治体が増えています。

また新しく図書館を建てる際に、市民活動拠点や子育て施設を併設することで、相乗効果を生み出している取り組みもあります。
駅前の施設や商業施設に図書館を造る自治体もあり、生駒市も2014年に駅前のビルに図書館をつくりました。

一方で、橿原市の図書館は年々利用者が減っています。

貸出人数 全体的に右肩下がりです。一般は16歳以上、児童は15歳以下です。
貸出数 一般書の貸出数がかなり減少 それに比べると児童書は緩やかです
16歳以上の新規の登録者の人数がかなり減少。近年は児童の新規登録数とほぼ同数。
それにくらべ、児童は減少幅が小さい。また大人の新規登録者には
小さいお子さんと一緒にくる保護者が一定数含まれていると思われます。


私は、毎年確実に新規利用者となる子どもとその保護者が継続的な利用者となることが望ましいと訴えました。しかし、現在の図書館は「子どもの声が迷惑になっていると感じて早めに帰る」「絵本の読み聞かせをしたくても、人目が気になる」などをはじめ、子連れでの「利用しづらさ」の声はよく聞きます。

そのため私は、子どもとその保護者が利用しやすい施設づくりや「どんな図書館にしたいか」という理念づくりなどを要望しました。
担当部長からは「サービス計画の策定を検討」と回答いただきました。

過去の図書館データを分析すると、16歳以上の大人の新規利用登録が減っている一方、15歳以下の児童は着実に登録があります。そして、一般書の貸出が大きく減る一方、児童書の貸出は比較的堅調です。

議会ではこうしたデータに触れ、図書館が多く健康寿命が長い山梨県や、貸出数の目標を掲げる明石市、島まるごと図書館構想を進める島根県海士町といった、全国の取り組みも紹介しました。その上で、子育て相談や婚活イベントなど、他部局の取り組みを図書館で行ったりして連携することや、図書館をまちづくりの重要政策のひとつとすることも要望しました。

企画部長からは深く共感してくださった上で、「すぐできることもあるが、人材・予算が必要で難しい点もある」と答弁。

さらに市長からは「図書館は重要だと思っている。子ども向けの施設などに、エッジをきかせた舵取りも必要。今後予算なども検討する」とご答弁いただきました。

その上で、私はすぐ取り組めることとして「上限5冊の貸出冊数を10冊とすること」を要望しました。現在、コロナ禍やワクチン接種事業などの兼ね合いもあり、10冊の特別貸出をしていますが、通常から貸出数を10冊にできるよう、規則の改正をお願いしました。
担当部長からは「開館当初より蔵書数も増えているので、上限緩和の検討をしたい」とご答弁いただきました。

今後も図書館について継続的にとりくんでいきます。お金ではなく知恵と工夫で、本のまちにしたいです!

以前に私が書いたブログにも、図書館について書いております。他市の図書館についても書いております。
ぜひ読んでください。
みんなの図書館 その1
みんなの図書館 その2
みんなの図書館 その3