6月議会での一般質問 「学校への寄附について」

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毎定例会ごとに一般質問を行っています。今回で18回目です。


6月議会での私の一般質問。
「学校への寄附について」
「市内在住外国人への防災施策について」
を質問しました。

❶学校への寄附について
おもに学校がPTAから受けている寄附について、質問しました。

法令で、学校への寄付は

「人件費や、学校の建物の維持・修繕費用には当てられないこと」
「それ以外の経費も安易に保護者に負担させるのは適切ではないこと」

とされており、学校の最低限の水準維持にかかる経費に、寄附に充てることは不適切とされています。

また受けられる寄附も
「強制的ではない任意の寄附」に限られ「受ける際に適切な手続きを経ること」
されています。

昨年度はこれに抵触する寄附のお申し出が1件あり、お断りした経緯があったそうです。


好ましくない寄附に学校側が早く気付けるよう、今年度は「学校への寄附のガイドライン」を教育委員会で作成することや、それまでは寄附のお申し出があれば、一旦教育委員会へ相談するよう、各学校に伝えているとのことです。

しかし、教育委員会に
「PTAからの寄附の内容は把握しているか」と質問したところ
「把握していない」
と、その名目や金額を、知らなかったことが分かりました。

一方他県では、PTAからの寄附が、教育委員会の把握がされないまま「高額な設備」から「小さい事務用品」にいたるまで使われていたことが報道され、その際PTAの寄附を「学校の第二の財布」と表現するなど、学校がPTAの寄附ありきで成り立っている様子が見受けられました。

本市でも同様の状況があると思われ、本来公費をあてるものにまで寄附をうけている可能性を指摘しました

特に
私は今まで学校図書室の充実を訴え、本市では「全国平均の半分以下」となっている「学校図書の購入費用」の増額を訴えてきました。しかし今年度の図書購入費予算も例年並みにとどまっています。
そんな中、多くのPTAが図書費を寄附している状況が見受けられます。

私からは特に「文科省が定める図書室の本の冊数「学校図書標準」を下回る学校への寄附は法令上問題ないのか」質問したところ
「標準冊数達成までは公費で賄うべきで、そこに寄附を受けるのは改めるべき」との答弁がありました。

そもそも、図書の充実を軽んじる市が、PTAから図書費寄附を長年受けていることの問題を指摘

過去の私の質問でも、国が学校の図書購入費用として地方交付税措置しているお金を、橿原市は図書費として活用していないことがわかっています。

昨年6月議会での一般質問をまとめたもの(矢追もと市政報告vol.6より)


地方交付税措置は、さまざまなお金と合わさって市にまとまって入ってきており、図書費として使わなくても罰せられません。自治体の考え方で何に使うか決められてしまいます。

私からは
「各小中学校に対し、PTAからどのような寄附を受けているかの実態調査を行うこと」を要望。
市は「調査を行う」
と答弁しました。

市長には
「調査の結果、学校に必要な経費には公費を当てること」と「本の購入費をしっかり予算措置し、特に最低限の冊数を早期に市で備えること」を要望。
市長は「学校教育に必要な経費は、公費負担と認識している。図書は標準冊数を見ながら予算編成をしっかりしていきたい」と答弁しました。

市教委は今後、実態調査を参考に寄附のガイドラインを作成することになりました!

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一般質問解説☝️
学校現場では、公費が当てづらい経費があり、また各校への配当予算が十分ではないなどの理由で、PTAからの寄附にたよっている部分があります。
しかし、PTA組織はあくまで善意で成り立っているものです。当たり前のようにそれに頼り、それがなければ学校運営が維持できないようなら、PTAには「寄附項目を変更する」「寄附をやめる」という選択肢がないに等しく「強制ではない任意の寄附」とはいえません。
図書の購入費や学校司書の配置などによる学校図書室の充実・読書の推進などについては、これまでも要望してきました。市が必要な予算をかけずに、結果的にPTAなどの寄附に頼っている状況は率直に「おかしい」と思います。

調査の際は、学校の事情もよく聞き取りながら、教育環境をよりよくするためにも、寄附のあり方と教育予算について見直すように要望しています。

質問の詳しい内容は 橿原市議会公式Youtube でご覧ください。