8月 石川県に行ってきました その1

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白米(しろよね)千枚田にて

8月に、石川県に行ってきました。

今回は家族が一緒なので、視察とまではいきませんでしたが、感じたことをお伝えします。

石川県庁の展望フロアからの眺め


まずは金沢市。県庁所在地です。 
奈良市の人口は約35万。金沢市は約46万。
地方都市ですが、加賀百万石と言われただけありますね。大学や美術館などの施設も多くて、華やかさや賑やかさもある街。外国人旅行客も多かったです。

石川県立図書館


2022年に移転、開館した石川県立図書館。

2023年、全国の都道府県立図書館の中で、入館者数が第一位だったそうです。

円形になった館内は、ぐるぐると回りながら様々なジャンルの本に触れることができる上、個性的な椅子席がたくさんあり、本を手に取ってすぐ近くの椅子に座って読んだり、お気に入りの場所まで移動したりと、さまざまな楽しみ方ができそうでした。

ちなみに、一般的な図書館は館内での写真撮影は禁止のことが多いです。
石川県立図書館は「他の利用者に配慮の上」OKとなっています。
また、会話してもよい図書館、というのも特徴です。あくまで常識の範囲内で。

12のテーマのうちのひとつ「暮らしを広げる」の棚

他にもこの図書館の特徴として、一般的な図書分類の枠をこえた「12のテーマ」別に集めた本を配架している点があげられます。

石川県立図書館HPより

例えば「好奇心を抱く」では「妖怪の本」や「レトロな女学生の制服」の本などが並び「こんな本あったんだ」と興味をそそるような、司書さんのセンスが光る選書がされていました。
また、表紙を見せた形で置くことで、思わず手に取ってしまうような工夫もあります。

今回時間がなくて回りきれませんでしたが、お子さんのコーナーにも工夫があるようです。

石川県立図書館HPより


他にも…
音楽会や講演会などを開催したり、イベントがなければ休憩したり飲食しながらデスクワークもできる「だんだん広場」、オープンキッチンを備えて食のイベント開催もできる「食文化体験スペース」、3Dプリンタなどを備えた「モノづくり体験スペース」、屋外には収穫体験できる庭やイベント開催もできるエリアがあるなど…
とにかく「図書館」という枠を超えて、知的好奇心を刺激したり、人々が交流したりできるような施設でした。

最初は旅先で「図書館に行く」と聞いて「何分で帰るの?」と微妙な反応だったこどもたちですが・・・
行ってみると「まだ居たい!」「また連れてきて!」と言うほど楽しんでいました。

イベントが開催されていない時の「だんだん広場」

ここ数年で図書館の概念は大きく変わりつつあります。単に静かに本を読んだり借りたりする場所から「人が交流する」「リラックスできる」「知的な活動ができる」といった機能が加えられたり、さまざまな施設との複合化で、図書館自体の利用が増えたり、まちの活性化にも繋がっています。
特に近年新しくできた図書館では、こうした例が多く見られます。「図書館を中心としたまちづくり」については、私も1期目に提案しました。

石川県立図書館も、そういった図書館の一例だと思います。

表紙を向けて配架されている本たち

さて、この図書館で子どもが気に入った本があったのですが、橿原市立図書館にもあることが分かり、帰ってきてから借りることができました。
展示の仕方でこんなにも本との出会いが広がるというのは、面白いものですね。

そういえば橿原市立図書館でも…
返却手続きを終えたさまざまなジャンルの本が、棚に戻される前にブックカートにのせられて入り口カウンター付近に置かれていることがあるのですが、不思議とそこにある本って見てしまうんですよね。そして結構な確率で、そこから一冊借りてしまったりします。同じ話を友人からも聞いていました。

私が1期目に行った提案で、貸出冊数を5冊から10冊に増やしていただいたり、1階にこどもと本のコーナーを作っていただいたり、近くに保護者向けの本もまとめていただくなどを実現することができました。

市立図書館では、広さも蔵書数も限られ、できることは少ないかもしれません。
でも工夫すれば、もっと親しまれる図書館にできるかもしれない、とも感じました。

石川県立図書館、もし金沢に行く機会があれば、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?