
12月定例会での私の一般質問。行政運営上の大きな課題について質問しました。
「緑の基本計画について」
「緑の基本計画」とは、市町村が策定する「緑地保全・緑化推進」のための基本計画です。
橿原市では「橿原市緑の基本計画」を2002年(平成14年)に策定しましたが、現在まで一度も改定されておらず、内容が大変古く時代に合わなくなっています。
例えば、計画では令和3年時点の市の人口を「15万人」と想定して、目標とする緑地の面積などを計算しています。現実は平成22年の12万5000人がピークで、現在は11万8000人ほどです。

こうした状況を踏まえ、
- これまで計画の振り返りや総括が行われたのか
- 改定に向けた予算要求を行ったことがあるのか
を質問しました。すると
「計画の総括は行っていない」「令和2年度に改定の予算要求をしたが財務部局の査定でゼロ査定となった」ことがわかりました。
計画が古い為に新しい取り組みができない状況になっては困ります。
近年では「グリーンインフラ」という取り組みが多く見られるようになりました。これは、緑の力を生かして都市の課題を解決する取り組みです。例えば、大雨時の浸水対策として地中に水がしみ込んでいく仕組みをつくったり、土壌や草木による夏の気温上昇対策などがあります。
私からは、このような取り組みを行うことを盛り込み、新しい緑の基本計画を早急に改定するように要望しました。
市の回答は「新しい計画にはグリーンインフラの取り組みも盛り込むが、整合性を持たせる必要のある関連計画の改定が迫っており、先にそれを改定する関係から、緑の基本計画の改定は令和10年改定になる」とのことでした。
現在、医大新駅の周辺整備や中央体育館の移転建設・それに伴う運動公園の拡張などさまざまな大型事業が進行中で、計画前でもそれらに新しい取り組みが反映できるよう、緑地の視点で積極的に関与してほしいと要望し、「指導・助言していく」との回答を得ました。

次に「計画等の策定について」です。
これは「緑の基本計画」がなぜ長年放置されてしまったのか?という疑問と問題意識からの質問です。
そもそも計画とは「自治体の課題を解決するため、今後の市の方向性を示し、それを基に行政運営していくためのもの」です。実態に合わない計画はすでにその役割を失っています。
さて近年、行政の仕事は公務員だけが行うものではなく、民間への業務委託が数多く行われています。背景には行政の業務の多様化、人口減少などによる職員数の削減、専門性の高い業務の増加などが挙げられます。
令和2年に要求しゼロ査定となった「緑の基本計画の策定にかかる予算」も実質「コンサルティング会社への業務委託料」でした。その額を確認すると「2000万円」とのことでした。もちろん全くの丸投げではなく、市も関わって策定はします。
しかし2000万円の委託費用が出せず、それを解決しようとする動きがないまま古い計画が放置されたことは「市の思考停止状態である」と指摘しました。
またコンサル委託が過度に進むと依存の問題もあります。コンサルを使うメリットとしては
- 作業時間を短縮できる
- 先進的な知見やノウハウを得られる
が、ありますが、デメリットとしては
- 依存が進むと職員が自力で対応・解決できなくなる
- 職員のチェックが不十分だと成果の質が低下する
- 責任の所在が、市・コンサルどちらにあるか不明確になりやすい
- 他自治体の計画の焼き直しになり、本市の実情に合わない計画になる
- 費用がかかる
などがあります。
私からは
「コンサルは使う」とした上で、その費用対効果をより最大化する取り組みとして、コンサルとの契約に「OJT(オンザジョブトレーニング=仕事を通じて知識、技術などを身に付けさせる教育方法)」を盛り込み、職員のスキル向上を狙う取り組み と、
「なるべくコンサルに頼らない」ために、より専門性の高い知識をもつ職員育成を求めました。具体的な取り組みとしては
「複線型人事制度」=「一般職(幅広い部署で異動しながら働きキャリアを積む職員)」と「スペシャリスト(より高い専門性とスキルを身につけ、特定分野で働く職員)」
から、自分のキャリアコースを選べる人事制度の導入を要望しました。
市からは「検討する」との回答を得ました。
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コンサルに計画策定の業務委託を依頼して、専門的な知見を得たり、他自治体の先進的な事例などを提案されても、それが橿原市にふさわしいか決めるのはあくまでも市であって、コンサルではありません。また策定後も、計画を自分ごととして力強く推し進める職員の力が必要不可欠です。
私からは
「いかに市が主体性を失わず、手綱をしっかり握っていられるか、あくまで、決定、実行していくのは市だという意識を高められるか。この課題はそれぞれの担当課だけで解決できるものではない。
5年、10年、20年先を見越しながら、市の内部に専門性を高める職員の人材育成が
必要。」と訴えました。
市長からは「課題として認識しているので、状況にあった制度を検討する」と答弁がありました。
一般質問では、より詳しく質疑を行っています。橿原市議会公式Youtubeで動画をご覧いただけます。ぜひご覧ください。