石川県に行ってきました その2

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珠洲市内 傾いた電柱はいたるところにあり、更地になった住宅跡も多い

石川県に行ってきました、の、その2です。

2日目に、金沢市から「のと里山海道」を通って珠洲市へ。

金沢では全く震災の影響を感じずに過ごしていましたが、のと里山海道から能登半島の北端地域の道中は、凸凹とした路面、崩落を修復する工事をしている地域が大変多く、ほとんど手付かずになっているところもまだ見受けられます。

能登町にて
能登町にて

珠洲市は被害が大きかった場所の一つ。
全壊した家屋も多かったため、更地になっているところが多く見受けられましたが、傾いた電柱などが今でも残っています。

同じ場所をgoogleストリートビューでみると、震災後、同じ年の夏に撮影されたと思われる景色になっていました。

壊れた家屋が、夏もまだそのままになっている様子が確認され、被害が大きかったことがとてもよくわかります。元はこんなにたくさん家が建っていたのですね…

現在は、壊れた家屋が取り除かれ、傾いた電柱がこのっています。

今でもブルーシートが残る家、住んでいるのかな?と思っても瓦が落ちたままでお住まいされていない家もたくさんあります。

鉢ケ崎は、海水浴場とオートキャンプ場があるのですが、現在仮説住宅が建てられて、復興作業をされている作業員さんの宿舎になっていました。

車窓からは、取り壊し中の家も度々見かけます。
地震の前には、この手前の敷地にも、民家がありました。
まだまだ住める家だったものを、地震によって取り壊すことになったお気持ちを考えると、本当に胸が痛みます。

この日は、能登半島最北端の「禄剛(ろっこう)崎」にある旅館に泊まりました。

この旅館も少なからず被害の爪痕がありましたが、一般のお客様を迎えての営業をされて頑張っていらっしゃいます。
ただ、近隣の宿泊施設は、建物の被害で営業できていなかったり、復興に携わる工事関係者の宿泊所となっている場所を多く見かけました。

禄剛崎から見える夕日
禄剛灯台(通称狼煙の灯台)

私は新潟県出身で、日本海の近くで生まれ育ったので、このあたりの景色も故郷に通じるところがあり、大変懐かしかったです。

2日目 さらに能登半島を西へぐるりと。海は綺麗ですが、崩れたような山肌が目に入ります

白米千枚田 

白米の千枚田は素晴らしい景観で知られていますが、一部が崩れるなどして、すべての田んぼでは田植えができていません。ただ、地元の名所を守るために住民の方々が頑張っていらっしゃるそうです。
道の駅が併設されていますが、地元の名産物を販売している地元のお母さんが「いつもの6割くらいしかないの」とおっしゃっていました。でも、観光客の方にとても親切で、たくさん声掛けされているのが印象的でした。

輪島市内の仮設住宅の一つ 能登半島北部を走ると、さまざまな仮設住宅を見かけます
輪島市内 ここも仮設住宅のひとつ 訪れた日がこの地域のお祭りの日でした これはお祭りで担ぐ「キリコ」というものです
黒島漁港

このあたりは海が隆起した影響を強く受けた地域。
ここ黒島漁港は4m隆起。昔は岸壁に船が繋がれていたのが信じられないくらい、今は海底だったところを歩いて行ける状態。このため漁業を諦めざるを得なかった方が多くいらっしゃるそうです。

角海家 玄関から前方約半分は倒壊 見えている後方部分はかろうじて建っている状態

黒島地区は北前船で栄え、徳川幕府の直轄地となっていたので「天領黒島地区」と呼ばれています。伝統的な船主の住宅が立ち並び、2009年には橿原市の今井町と同じく「重要伝統的建造物群保存地区」となりました。

しかし、震災で倒壊・半壊した建物が多く、建物の修復には長い時間がかかりそうです。

角海(かどみ)住宅は、この地区最大の伝統的な住宅で、平成19年の能登半島地震で影響を受け、その後、市に寄贈されて、平成23年に復元工事を終えていました。今回の震災で、再び被害を受けた状況です。

私も今井町内の木造家屋に住んでいるので、同じ重伝健の被害は特に身近に感じました。

禄剛崎で夕陽を眺める

今回、のと里山海道などではかなり大掛かりな工事にも出くわしました。
また、写真より大きな被害を受けた住宅なども見たのですが、個人宅ということを考慮し近づいての撮影はせず、ほぼ助手席の車窓からの写真を紹介しています。

能登への旅行をご検討されている方へ。

ご覧のように、まだ震災の傷跡が残る能登半島ですが…お魚は美味しいし、海は綺麗です。

七尾市の加賀屋、珠洲市のランプの宿など、有名な宿泊施設がまだ再開されていなかったり、宿泊施設が少ないので、日帰りになることもあるでしょう。

大きな被害を受けた輪島朝市だけではなく、営業していない観光施設も多いです。
ネット情報は古いものが残っていることもあるので、一度問い合わせるなど、確認されることをお勧めします。

現在、復興支援ガイドツアーを企画しているところもあり、利用できる施設を掲載されています。

地元の方は、世間が、能登半島地震のことを忘れてしまうこと危惧されています。

能登に赴いて地元のものを購入することでの支援もできます。
私も次回は、より深く学ぶ機会を設けて、能登を訪れたいと思いました。

被災された方々にお見舞い申しあげるとともに、復興を心よりお祈りいたします。