私が市議になる前、そしてなった後もお声が多かったのが自習室についてです。
橿原市には自習室がありません。
現在の橿原市立図書館は平成8年から市民の図書館としての役割を担っていますが、開館当時から図書館の本や資料を利用しての学習のみOK。もちこみの自習は禁止です。
かつて橿原公苑内にあった県立橿原図書館(旧橿原文庫)では自習ができたので、閉館後にその代替施設を求める声が過去にあったようですが、ずっとそのための設備は作られないままでした。
私は市議になる前から自習室の必要性について発信していました。
そのため「他自治体の図書館まで自習に行っています」「〜〜施設の机がある場所を利用しています」「なんで橿原市に自習室がないんですか?」といった声を、保護者だけでなく、中学・高校生からもいただきました。
私はまず、他市の図書館での自習利用の状況を調べました。すると、やはり自習利用できる図書館は、橿原市の図書館より席数が圧倒的に多いことがわかりました。それでも、ある自治体の図書館では、自治体外からの自習利用者が増えすぎて、利用できる席を制限している状況でした。橿原市立図書館での自習をOKにするのは難しいと判断しました。
そこで、市の施設内で自習室できそうな場所を探し、担当課に利用できる可能性がないかを聞き取りました。そこで1番利用できる可能性が高いと判断したのが万葉ホール1Fの多目的ロビーです。
当時は、コロナのワクチン接種会場となっており、その接種事業が終われば市民開放できる可能性があったからです。
この場所は、私が橿原市に引っ越してきた当初、椅子と机が置いてあり、子どもと図書館で借りた本を読んだりすることもありました。
その後、このスペースで1年間ごとにチャレンジショップとして喫茶が営業することになり、コロナ禍の少し前に最後のお店が閉められたあとは、また椅子と机だけの場所になりました。
何度か議会の中でも自習室の要望を行いましたが、2023年6月の一般質問で、自習スペースについて取り上げました。そして、万葉ホールの多目的ロビーに自習スペースを設けることを要望しました。万葉ホールを管理する教育委員会からは、ワクチン接種が終わればということで、前向きな回答を得ました。
私としては、本当は自習に特化した場所を設置したいと思っています。
過去にも、市の施設内で、施設の本来の目的と違うものの「利用者の少ない時は自習してもよい」といった場所がありましたが、やはりそれぞれの目的が違う層の利用が重なることに様々な声があり、結局自習利用ができなくなったということを聞いていたためです。
ただし、万葉ホール1階は「多目的ロビー」ですので、万葉ホールに来られた方の休憩スペースでもあり、年数回はイベントも開催されます。市からも自習利用のみに限定するのは難しいと聞いていました。
自習に特化した場所ではなく、多目的な利用者が混在する場所にはなりますが、最初から完璧な場所ではなくても、まずは自習OKという場所を作り、どのくらいの利用者がいるかを確認する必要があると考えました。
そして、令和6年4月から、自習スペースができました!
最初はまだ知られていなかったため、利用者はまばらでしたが、現在では平日でも常時利用者がいらっしゃり、土日は席がなくなるほどのこともあります。
また、万葉ホール内には自動販売機がなかったため、設置していただきました。
多目的ロビー内にも自販機が置かれ、飲食も可能です。
科学館に来られた親子連れなども、ここでおやつやお昼ご飯を食べられますよ!
もちろん自習の方も飲食ができます。
多目的なスペースですので、休憩利用者の声などにはご理解をお願いいたします。
自習スペースを求めていた方々が、こんなにいらっしゃったことが可視化され、今後は多目的な場所でよいのか、もっと自習に特化した場所にしなくてもよいのか、違う施設でも同様の場所を作れないか・・・と言ったことを市に要望しています。
また、多目的ロビーは天井の高さから少し暗いため、照明についても改善を要望しています。
小さい頃は親と図書館を利用していても、中高生になると図書館の利用が減少しがちでした。万葉ホールは、自習をしたり、そのついでに図書館で本を読んだりなどなど、1日利用してもらえる場所です。若者の安心安全な居場所にもなるよう、今後もブラッシュアップさせていけたらと思っています。
ご意見もぜひお待ちしています。