今まで図書館のことをお話ししてきましたが、今日は高齢者と図書館の関係についてです。
運動や食事以外に「健康寿命(日常の制限なく生活できる期間)がのびるらしい」と言われている「ある習慣」について、みなさんはご存知ですか??
それはなんと「読書」だ、というデータがあるのです。
以前放送された「NHKスペシャル AIに聞いてみた。どうすんのよ!?ニッポン 第三回 健康長寿」で放送された内容です。
65歳以上のお年寄りに600以上の質問をし、10年以上追跡調査した、のべ41万人にものぼるデータから、一番健康寿命に関わりがある習慣は何か?をAIを使ってさぐったところ、なんと
「本・雑誌を読むこと」
をよくしている人には健康な人が多く、さらに他の健康行動との関わりも一番多かった、というのです。
つまり「本・雑誌を読む」と答えた人の中には、サークルに所属したり、電車やバスに乗ったり、ジョギングやダンス、庭いじりや作物栽培が好き、など、他の健康要素についてもYESと答えた人が多い、ということなんです。
そして「本・雑誌を読む」と答えた人には、「運動をしない」「興味のないことが増えた」などの不健康要素にYESと答えた人が少ないというのです。
にわかには信じられない!?
もちろん「出かけようという明るい気持ちがあるから本も読める」「本を読む気にもならない人は出かける気にもならない」・・・どちらが先かはわからないと思う部分もあります。
しかし他にも、アメリカのイエール大学の調査で、本を読む人は読まない人に比べて、平均で寿命が23ヶ月長かった、という調査結果も紹介されました。
しかも、性別・健康状態・財産・学歴に関係なく、本を読むことが長寿につながったというのです!
これは嬉しいですね!! さらに、図書館の本ならお金もかかりません。
すぐ鵜呑みにはできませんが、本や雑誌を読むことが、何らかのよい影響を与えていることは間違い無いのではないでしょうか?
「本を読む」ということで、脳を使い、過去の記憶を呼び覚ましたり、旅行・ガーデニング・料理などなど「何かやってみよう」という行動を起こすきっかけになっていると考えられるそうです。また図書館に足を運ぶこともいい運動になりますよね。
さてさて・・・
ここで橿原市の図書館の「利用登録率」を見てみますと、橿原の全人口の26.78% でした。4人に1人くらいですね。
また、お年寄りは比較的本を借りていらっしゃいます。
貸出冊数でいえば、61歳以上の方の貸出数は、全体の約30%弱をしめています。
(1番少ない16歳〜18歳、2番目に少ない19〜22歳の方の世代の合計は全体の約3%)
(数字の資料は図書館年報 平成30年度版 より)
お年寄りは本を借りたいと思っているし、実際借りていらっしゃいます。
ただし、利用登録者数で見ると、まだまだ一部の方に偏っているかもしれません。
八木・畝傍・白橿は比較的利用者が多いですが、それ以外はばらつきがあり、かなり利用者が少ない地域もあります。
ちなみに、市内に大小合わせて5ヶ所の図書館・図書室のある生駒市では、利用登録者数が「44%」(令和元年)です。
もっともっと高齢者が利用しやすい図書施設になるにはどうしたらいいでしょう?
市内数カ所に小規模の図書館をつくる
図書館のついでに、買い物や手続きなどの用事をすませられる環境にする
図書館の本を自宅近くの施設にとりよせて借りられるようにする
他にも
図書館でまちの様々な情報に触れることができたり
休憩したり、おしゃべりできるサロンがある
図書館で健康相談を行うなど、高齢者向けサービスを取り入れる
など・・・
お年寄りが気軽に安心して出掛けらる場所が増えることは、お取り寄りの元気に繋がります。
「ライブラリー」が、文字通り「ぶらり〜」と訪れられる場所へ。
もっとお年寄りも利用しやすい、便利で身近な図書館があったらいいと思いませんか?
前述のNHKの番組に出演された教授のインタビュー記事もご参考までにご覧ください。
(序盤はAIについて、中盤以降で読書について語られています)