2023年12月議会

12月議会のメニューは…

厚生常任委員会
厚生常任委員会文教常任委員会連合審査会
市庁舎建設事業等に関する特別委員会
県立医科大学・附属病院を核としたまちづくり事業等に関する特別委員会
議会改革特別委員会
一般質問

旧本庁舎の議場を使った議会最終日に記念撮影をする白っぽい上下スーツを着ている矢追もと

12月7日
厚生常任委員会

橿原市福祉センター条例の廃止について

 やわらぎの郷を廃止することになりましたが、すでに2008年には方針が決まっていました。しかし市民から存続要望がなされていることについて、市がどのようにこれまで市民に情報を公開し、伝えてきたのか疑問を感じました。

矢追もと
おはようございます。平成30年の「橿原市施設分類別基本的方針」というこちらの冊子の中に、やわらぎの郷の今後のことも書かれていました。こういったものの中には、市内の様々な施設の今後の方針というのがある程度書かれているわけなんですけども、この平成30年の時点でやわらぎの郷がどのように書かれていたかということになりますと、今後の人口減少に伴って利用者の減少が予測されるので、次の大規模改修の際には、民間活力の導入可能性を調査し、民間移譲や廃止を検討しますというふうに、既に平成30年の時点で、ある一定の市の考え方、方向性というのは示されていたと思うんですね。
 今回、この廃止の条例、このお話が出てきているこの議会の中でも、やはり存続を求められている市民の方の要望書が提出されているということに対しては私も大変残念に思っているんです。この施設だけではなくて、今後、廃止ですとか縮小というものが考えられる施設が市内には多く存在しているかと思うんですけれども、この方向性を市民に伝えていくタイミングについて、市はどのように考えていらっしゃるかをお聞きできますでしょうか。

資産経営課長
公共施設等総合管理計画を次回改訂する予定。その時期に市民に周知を考えている。

矢追もと
この平成30年の時点の内容というのは、私が思うに、市民の方にはあまり細部にわたって伝わっていないのではないかなというふうに思います。もしかしたら存続の可能性があるかもしれないのに廃止になるんだろうと受け止められたり、市の考え方と市民の受け取り方が違ったりする可能性があるので、伝え方はすごく慎重に行っていただく必要性はあるとは思いますけれども、今後の市の向かう先というのが、人口減少というのがどうしてもあるということに立って、縮小していく必要があるという考え方自体は、もう少し市民の方に分かりやすくお伝えして、周知していくという必要があるかと思うんですね。
 私は、今回のやわらぎの郷の廃止に向けた進め方の手順の中で1つ気になっていることがありまして、令和4年の4月に、やわらぎの郷というのは健康増進課から福祉部局のほうに担当が替わっているんです。そのときには既にやわらぎの郷というのは指定管理が何年先で終わるということは分かっていたと思いますし、担当が替わっていく中で、今後の方針、市民への周知、どういうふうに進めていくかというのをどのぐらいちゃんと丁寧に行われていたのか。もしかしたら、担当が替わったことで何か月間かのロスが生じてはいないか。考え方ですとか現場の声などをきちんと次の担当課に引き継げていたのかというところには疑問を持っておりまして、福祉部局だけではなく、市全体でもう少し、こういった話を進めるときに、どの担当にどういうふうに進めてもらうかというのを考えたほうがいいのではないかなと思うんですけれども、市の考え方としていかがでしょうか。

こども・健康スポーツ部副部長
やわらぎの郷に関して、当時、健康部から福祉部のほうに、健康増進課から福祉総務課に担当が移管したときの経緯については、ちょっと手元に資料がないので、概略だけ説明する。
その時点で、健康増進課が担当していた時点で、やわらぎの郷の利用状況、利用者のニーズ、いろんな調査をしたり、アンケートしたり、指定管理業者と話したこともある。その中で、多世代間の交流が利用目的の1つだったが、利用者は高齢者が多く、大半が入浴利用と。生きがいづくりというか、囲碁とか卓球とか、いろんな形で過ごしている利用が多いという状況から、いろいろと相談した中で、基本的には高齢者福祉の色合いが多いので、そちらで担当したほうがいいのではと数年かけて話合い、実際に担当が替わって、そちらのほうで存続するという形で、引継ぎは複数回したという経緯になる。

矢追もと
今のお答えは私の質疑の回答ではないと思うんです。市全体として、施設の管理というものをどういうふうに考えていて、方向性がある程度決まっている中で、どの担当がどのようにその業務を受け持っていくのか。もし廃止が決まっている、廃止の可能性が高いというような施設については、所管をもう少し延ばして見ていただくであるとか、もしくは、きちんとその内情を知っている職員も一緒に異動させるというようなことが必要だったのではないかと私は思うんですけれども、そのとき、健康増進課から福祉総務課に一緒に異動になった職員もいないと聞いておりますので、そういったところで、市全体の今後の方針の決め方というのが、少し見通しが甘かったのではないかなというふうに思っております。そういったものが今回のこのやわらぎの郷の廃止に対する市民の方の不信感ですとか、そういったものにつながってくる可能性があるんじゃないかなと私は思っていますので、今後のことも含めて、今回のことをきちんと市として受け止めたほうがいいのではないかと思っているんです。なので、人事ですとか組織図をつくっていくような部署である企画戦略部のほうから一度お考えを聞かせていただけないでしょうか。

企画戦略部長
おっしゃるとおり、継続性は必要。実際、やわらぎの郷の廃止、何年度廃止というのは具体的には決まっていなかったし、当然、所管の異動は、例えば社会情勢により今回も組織条例の改正を上げているとおり、今回のやわらぎの郷に限らず様々なものがあるので、そこはしっかりと個々個別のところで引継ぎするのは従前よりのやり方。人的配置は当然配慮していきたいと考えているが、基本的には引継ぎをしっかりするに限るかなと考えている。

矢追もと
ありがとうございます。形は変わっていきますけれども、今の時代に即した情報発信と取組を継続して行えるように担当課にはぜひ努力していただけたらと思いますので、よろしくお願いします。

厚生常任委員会文教常任委員会連合審査会

橿原市再発防止策検討チームと
奈良県と共同設置した第三者検証チームの活動報告書(18ページ)が出ました

1:再発防止策検討チームの報告内容
2:10月6日の連合審査会での報告内容の再掲
3:検討チームの活動状況
4:第2回再発防止策検討チーム会議の資料
5:情報共有のあり方の整理
6:家庭児童相談システムの導入
7:ヒアリングの内容
8:同様の事案が発生した自治体での改善策
9:職員の心理面へのケア
10:奈良県・橿原市共同設置検証チームの報告
11~18:参考資料

振り返りと主な経過・テコ入れ策の検討と実施・有識者等へのヒアリング
組織体制等の緊急避難的施策の検討・本来あるべき体制のあり方の議論
会議の開催(11月2日、28日)・有識者等へのヒアリング・関係団体への協力依頼や研修
組織体制のテコ入れ策・職員の増員配置・11月15日と24日の体制変更
倫理統制監との情報共有・家庭児童相談システムの導入予定
情報の蓄積とリスク判断・AIを活用したリスクアセスメントの研究
相談体制の強化・外部資源の活用・デジタル技術の活用
正規職員の増員・スーパーバイザーの設置・児相や警察との連携強化
臨床心理士による面談の実施・継続的な心理ケア体制
弁護士4人、大学教授1人のチームを10月に設置、資料や聞き取りをして3月末に報告書提出予定
有識者との意見交換・他自治体への視察内容

矢追もと
5ページのテコ入れ策の検討及び実施の中で、「虐待の危険因子にしっかりと気づき、見逃さないための情報共有のあり方について」と書いてあるんですけれども、参考に現在の事務の流れも書かれています。「通告や虐待関係の相談の連絡(各関係機関や住民等からの)があれば、相談受付票を作成し、管理職が入って受理会議を実施」とあります。さらに14ページに「また、相談先の充実も重要。NPOや寺社や子供食堂などから市役所へつなぐこともできるのではないか」とも書かれているんです。この場合、例えば、地域のNPOさんですとかこども食堂さんなんかがどういった目的でこのお子さん、このご家庭ということで市にご連絡をされるということが想定されているのかと、私、ちょっと今、分からないのでお聞きしたいんですね。というのは、最近、ちょっと気になる家庭があるんだけれども、それを虐待案件として取り扱って、子ども家庭相談室の権限において、例えばそのお子さんの関連先に「このお子さん、様子はどうですか」というふうに聞き取り調査することができるのかどうかって、結構、1つのハードルをそこで1個越えるみたいな形でお聞きしているんです。それが加わるのと加わらないのとで、今後、そのご家庭に対しての扱い方といいますか、接し方が大分変わってくると。もしかしたら、お困りの内容というのは、貧困だったりですとか、発達障がいであるとか、知的障がいであるとか、いろんなことが複雑に絡まって、ちょっとお困りなんじゃないかと思うというふうにNPOとかこども食堂とかでは感じていらっしゃったとしても、それをすぐに虐待とはみなせない、でも、ちょっとお困りだと思う、気になるんだよなというご家庭って、もしかしたら身の回りに皆さん感じていらっしゃるかもしれないと。「虐待とまではちょっと言い切れないんですけどね。でも、気になるんですよね。私からはそこまで踏み込めないんですよね」というふうなことを例えば市に情報共有された場合、じゃ、市はどこまでそれを対応できるのかということについて現段階でどうなのかお聞きできますか。

子ども家庭相談室長
明らかに虐待までは行かない部分での情報提供も、子ども家庭相談室に入っているケースもある。通告として受け取れば正式に調査になるが、そこまで至らない分はできる限り関係課やつながりのある部署・機関に連絡して、情報共有、情報収集をして、改めて内容を協議した上で判断している。

矢追もと
ありがとうございます。その場合に、例えば地域のコミュニティですとか寺社ですとか、そういった方々に、「こういうふうなお子さんがいらっしゃったら、市のここに連絡してくださいね」というふうにおっしゃるんでしょうかね。それを通告というふうに捉えてしまわれるのか。やっぱり、通ってくださっているような方々に対して、どこか否定的な目線で見ているんじゃないかというふうにちょっと危惧されることもあるかと思うんですけど、どういうふうにそのことについては進めていけばこういうふうな提案というのは実現されると思われますか。

子ども家庭相談室長
子ども家庭相談室は虐待担当としてやっている業務もあるが、一般的には、子どもや子どもがいる家庭の相談も承っているので、子どもに関する相談の総合的窓口という部分もある。こちらで出している啓発のチラシにもそういった相談番号も載せているので、幅広く家庭の相談も受け付けた中で、室内で協議をして、必要であれば必要な措置を取るという、一旦大きい窓口としての受皿は担っているので、そのあたりでの周知もしていきたい。

矢追もと
ちょっと私は分かりにくかったんですけれども。これからそういうふうな、地域の方々とも連携していきましょうと言った場合に、これを通告というふうに皆さんが捉えられるのか、それとも、もう少し軽度な形でも、お伝えしていけば、何らかの形で市がアプローチしてくださるんだったら積極的にお伝えしたいと皆さん思われると思うんですよ。でも、なかなか、言っても、そちらに本人がご連絡されない限り、相談されない限り、積極的なアプローチというのはちょっと難しいこともあるのかなと。なので、通告という形を取って、例えば、ある程度法的な手段を取りながら、しっかりとその家庭というものにコミットしていくというふうな形が取れるのが虐待の事案に対する今の現体制だと思うんですけども、その間の部分、グレーな部分の取扱いが最近私は大変難しいなというふうに思っているんです。実際ちょっと最近経験したことがありまして、本人がお求めになっていない部分については、じゃ、どうやって市がコミットしていけるのかというふうなことは今後のとても大きな課題だと思うんですね。さらにそういったものを、地域の方々も一翼を担っていくのだとしたら、やはり、白か黒かみたいなものよりは、ある程度グレーな体制で、柔らかく市のほうからもアプローチしていただける体制が必要なんじゃないかと思うんですけれども、そういったものについてのお考えは何かありますでしょうか。

子ども家庭相談室長
やはり虐待の通告となれば、ためらう方もたくさんいると思う。そういった中で、その敷居を低くというか、ちょっとした気づきでも連絡いただくようにということなら、今回、外部団体からも意見をいただいた中で、民間団体の活用という部分で資料にちょっと紹介している。例えば、間に民間団体が入って、市ではない団体に相談することによって、しやすさが出てきたり、市とのやり取りの中でちょっとうまくいかなかった部分も、民間との話し合いで再び市へつなげたりするケースもあるので、そのあたりは民間活用も踏まえながら、何ができるかしっかり考えていきたい。

矢追もと
すみません、何回も長くしたくはないんですが。最後のご答弁はちょっと私の考えとは違っていて、相談されている方はまだよいかなと。例えば、何かの配布をしますよというところにぱっと来られて、特に相談はされない。ご本人も相談されるという目的じゃなくて、例えばそういった配布物という形で来られている。例えば市のほうに相談するという自覚とかも特にないというふうな方に対してのアプローチというのが一番難しいところなんじゃないかなというふうに私自身自覚しているところがあるんです。そういったところに、じゃ、どういうふうにアプローチしていけばいいのかというのが今後求められるのではないかというふうに私は思っていますので、そういったことも含めて、この「危険因子にしっかりと気づき」というところに含まれると思いますので、今後検討していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

12月12日
市庁舎建設事業等に関する特別委員会

本庁舎の整備について進捗の説明がありました

 本庁舎について、市長から説明がありました。9月議会で、この場所で民間の力を借りた複合施設として、できるだけ公費を投入しない形で進めたいと説明し、市長選で賛同してもらったという認識を示した上で、具体的な検討作業をするために職員による検討チームをつくり、全国事例を研究しながら、情報収集をしているところだとのことです。さらに12月議会で補正予算を計上し、市場調査を委託し、市にとって有利な策や事業手法などを探りたいとのことでした。

  • 整備のイメージ(案):
    • 本庁舎敷地を民間企業に貸し、庁舎とにぎわいを生む民間施設を整備。
    • 賃料を利用して執務室を借りる。
  • 整備の主なポイント:
    1. 民間活力の利用:
      • 公費負担を抑える。
      • 民間企業の意見を取り入れ、市場調査を実施。
    2. 庁舎部分の見直し:
      • 基本構想や基本計画を考慮。
      • デジタルの進展に対応。
      • 導入機能や庁舎の規模を検討。
  • 委託業務の概要と事業ステップ(案):
    • 公費負担の抑制:
      • 民間活力を導入した複合施設計画。
      • 基本計画の見直し。
    • 導入機能の整理:
      • 必要な機能や規模を洗い出し、民間活力導入の可能性を調査。
    • 事業スキームの作成:
      • 有識者の意見を参考に基本計画を策定。
  • 事業の進め方、事業ステップ(案):
    • 議会への補正予算の計上:
      • 基本計画の見直しと事業化検討業務を進める。
    • 民間事業者の選定、設計、工事:
      • 事業スキームにより実施主体が変わる可能性。
  • 今後の議会協議:
    • 事業の進捗状況を報告しながら協議を進める。
矢追もと
民間活力を導入して実施するということに対して、一体何のメリットがあるのか、具体的にどういうふうなものなのかというのがちょっとまだ想像しづらい。市民の方々も、これがどういうふうに市にメリットがあるのかがいまひとつ分からずに、心配事のほうが多い方が、実際多いんじゃないかと。私、最初から聞かせていただいていると、これを見ていらっしゃる市民の方は、まだメリットって、結局、建ててもらえるという以外に何かあるのかなと。建ててくださっている事業者さんが途中で倒産したりとかしたらどうするのかなとか、そういうことをいろいろ考えられると思うんですよね。もう少し市民の方に分かりやすいようにお聞きしたいんですけど、この建物の中に民間のにぎわい施設と市庁舎が入るとしたら、割合って、今、大体どのぐらいになるのかというイメージは、大体でいいんですけども、つけていらっしゃるんでしょうか。

庁舎整備室長
面積規模の割合だが、公費負担を極力少なくする観点で、どのぐらいの規模か、庁舎の必要機能を考えたときにどのような面積になるか、両視点で考える必要がある。現時点では示すことはできない。

矢追もと
多分、民間の企業が建てたところに市庁舎は間借りするというふうに聞くと、市民は、大体8割、7割ぐらいが民間の施設で、3割ぐらいが市庁舎なのかなと。例えば、「間借り」という言葉から、大多数の階は民間が入って、市庁舎はそれよりは規模が小さいんじゃないかというのをイメージされると思うんですよ。恐らく私の感覚が一般の方と近ければそうなんじゃないかなと思ったんですけれども。例えばそういうふうなイメージが、今後の進んでくるイメージと大分違っているのかどうかによっても、市民の方が受ける印象というのがちょっと変わってくるかと思うんです。ただ、それを1回置いておいたとしても、仮に本庁舎を全て市が建てて、自前で建てて、少しだけにぎわいの階を設けますよというふうにする場合と、今回の民間に建ててもらうという場合と比べたときに、市のメリットというのは、例えば公費を負担せずに建物を建ててもらえるという以外に、もう少し何かいろいろ言っていただかないと、市民にメリットが伝わりにくいと思うんですけど、今おっしゃっていただけるような市のメリットはほかに何かありますでしょうか。

公共建築課長
非常にざくっとしたイメージで申し訳ないが、私どもとしても、まずはこの地に応じたにぎわいを生みたいと考えている。応じたものとして民間ベースでどういったものが考えられるのか聞いていきたい。その中で、この場所に最も適したものを選んでいきたい。

都市マネジメント部長
建設のイニシャルコストは、民間で建てていただけるのは大変大きなメリット。維持管理費は仮に自前で建てても維持管理費はかかる。自前で建てた場合の維持管理費と、民間で間借りした場合の維持管理費と比較して、どういうメリットがあるのか答えようがないが。建設イニシャルコストを抑えられるのは大変なメリット。

矢追もと
ありがとうございます。とにかく民間の活力を導入することに大きなメリットが市にあるというふうなことは確証された上でこういった提案をしてくださっているということですよね。私、今回、ご説明を聞きながら思ったのは、やはりその思い、これが本当に市にとってベストな選択なんだという思いですとかメリットというのをもう少し具体的にお聞きしたかったなというふうに思うんです。
 庁内の検討チームと、これから市場調査していくものの違いというのを、先ほど委員長も「もう少し説明が足りないと思う」というふうにおっしゃっていただいたんですけども、私も、ちょっと足りていない、まだ先ほどのお話をお聞きしても足りていないなと思っていまして。ちょっと比較するのは難しいかもしれないんですけれども、今、厚生と文教の連合審査会のほうでご説明いただいている4歳女児の重大事案の庁内の今後の対策検討チームと第三者委員会の立場の違い、それと、庁内で今ここまでいろんなことを進めていますというふうなご説明というのをお聞きする中で、やっと、庁内でこういう方々が顔をそろえて、こういうふうな話合いをしてくださっているんだ、外からのヒアリング、こういうふうな事例も取り入れながら考えてくださっているんだというのが伝わってくるわけなんですけれども、今、庁内検討チームが、いつから、どんなメンバーで、どのぐらい、どんなテーマで情報収集されているのかというのが見えてこないというのが、この提案がちょっと降って湧いたような提案のように受け止められている原因なんじゃないかなというふうにも感じるので、もう少しこの検討チームのことを教えていただきたいんですけれども。お願いいたします。

都市マネジメント部長
検討チームは11月30日に第1回検討会を開催し、今後の流れをシミュレーションするなどして、話合いをしている。検討チームでは事例収集していきたい。庁舎整備室で全国の幾つかの事例集を確認しながらやっている。もう1点、事例調査だけではなく、最近は興味を示している民間企業もいて、実際、年内に1度検討チームに説明したいと聞いており、今、日程調整をやっている。「何かお手伝いできるような内容はないですか」という金融機関からの問合せもあるので、検討チームをしっかりと動かして、民間施設をしっかりと見いだしていきたい。

矢追もと
11月30日に立ち上げという、その以前についてはどうなんでしょうかね。日が浅いじゃないですか。ここに落ち着くまでの経過をもう少しお聞きできますか。この事業の提案をしてくださるまで。

庁舎整備室長
いきなり11月30日に立ち上げたというわけではなくて、10月の市長選挙の後、10月に1度、市長と協議をいたしまして、11月に入ってからも2回ほど検討の進め方というところで打合せをしている。そういった中で、庁内で検討委員会を立ち上げるのがいいのではないかということで、11月30日に立ち上げた。

矢追もと
ありがとうございます。興味を示してくださっている企業さんがいらっしゃったりであるとか……(何事か呼ぶ者あり)いいですか。先にもう一度お話を伺ったほうがよろしいですか。

都市マネジメント部長
今、11月30日に検討チームを立ち上げたという話をしたが、いきなり立ち上げたわけではなく、それ以前にも民間で建てる可能性、全国的にも非常に成功している事例等もあったので、そういうものの検証。橿原市との実情が違い過ぎる点もあるので、橿原市の規模で成功できるのかどうかというところまでは見いだせていないが、庁舎整備室の中でも以前からそういう情報収集をやりながら、その可能性は考えていた。

矢追もと
ありがとうございます。こういった大きな提案になってくると思いますし、補正予算でも関連の予算を上げられているということなので、やはりこの思いというか、これが一番いいんだ、今のベストとしてまずこれを検討したいんだというふうなところに来るまでの過程というのもとても大切だと思うので、それが議員なり、市民の方にもしっかりと伝わるような資料を作成していただいてご説明いただいたりですとか、そういった手順は必ず必要なのではないかなと私は思っております。なので、市民が唐突な印象を受けてしまったり、思いつきで提案してこられているような印象を受けてしまったりというふうなことが、少なからず今は起こっている状況ではないかなというふうに私は感じました。いろいろな事例を調べていただいているのであれば、今まで行ってこられた職員さんのそういった過程ですとか、そういった流れからここに行き着いているということもぜひご説明いただきたいなと私は思っているんです。ですので、今後、庁内の検討チームで進められてきたことというのをもう少し具体的に丁寧に私どもにも教えていただきたいと思っております。要望です。

12月14日
議会改革特別委員会

タブレット持ち込みについて

すぐに調べて答弁できるように以前から持ち込みできるようにしたいと思っていますし、何人かの職員からもそのように聞いていますが、パソコンの持ち込みは難しいという結論になりました。今後も議論はするとのことですが……

ホームページへの委員会資料の掲載

市側の資料を掲載しないと、YouTubeなどで議会中継を見ていらっしゃる市民の方々は何を議論しているのかが分からなくなります。市民の皆さんに議論の中身をより知っていただくためにもホームページへの資料掲載が必要だと私は訴えています。しかし、引き続き検討することになりました。

オンライン会議開催の情報収集と検討

オンラインで会議ができるようにしたいと私は考えています。災害時や感染症が蔓延している時などに会議場にいなくてもできますし、事情で会議場に来られない方も参加できるようになるからです。このため、オンライン会議について先行している茨城県取手市にオンラインでの行政視察を申し込むことになりました。

議会における業務継続計画(BCP)の策定について

私が提案して進めてきたBCPですが、ようやく完成に至りました。万葉ホールに議会が一次避難したあとに施行されることになりました。完成したら終わりではなく、今後も避難訓練などを積み重ね、内容をよりよくバージョンアップしていきます。

政務活動費について

政務活動費を市民の福祉向上に役立てるために、使いやすくなるように使途をより明確にしていきたいと考えています。2月に開かれる特別委員会で変更案を募ることになりました。

12月14日
県立医科大学・附属病院を核とした
まちづくり事業等に関する特別委員会

進捗状況について

 市側から令和4年11月29日に締結した「奈良県立医科大学附属病院南側地区のまちづくりに関する連携協定書」について説明がありました。奈良県、医大、本市、近鉄の4者協定で、医大周辺地区のまちづくりを推進するのが目的です。新駅の設置、公的施設の整備、民間施設の誘致などを含めて、八木西口駅の廃止を条件とはしていません。
 まちづくりの検討状況も説明がありました。南側エリアは健康増進のまちをコンセプトとし、医大の移転、附属病院の再整備、新駅設置をする構想です。2008年度に市民ワークショップやまちづくり調整会議をしたことから、「賑わい」「健康」「医学活用」に分けて土地活用します。また、2022年12月から2023年2月に開いた検討会で、各ゾーンに必要な機能について議論し、公共負担を抑えつつ民間活力を導入する方針としたそうです。
 一方、4月の知事選挙で新知事が当選しましたが、6月には予算通り執行することが決まりました。駅前広場やアクセス道路、新駅から市施設への歩行者動線を検討しているそうです。近鉄は新駅の乗降客数を予想して受益と損益を検討中で、それを基に費用負担をどうするか協議していくとのこと。今後も特別委員会に報告しながら進めていくという説明でした。

矢追もと
冒頭の課長の説明を聞くと、取りあえず昨年の今頃と状況はほぼ同じなのかなと思っています。去年の今頃でしたら、検討会というのをこれから始めますよ、あと、令和5年度中に費用の合意を想定していると聞いたと記憶しています。現在は、知事が替わられたということもあって、知事の考えなどもしっかりすり合わせた上で、4者会議を2回して、以前の事業を継承していくことで落ち着いて、再度これから検討会などを進められていくということでよろしいんですよね。なので、大きくは去年の今頃とほぼ変わっていないのかなという印象なんですけど、それでよろしいでしょうか。

市街地整備課長
確かにあまり進んでいないのが現状。ただ、今年度は県が新駅の構造や自由通路の設計を進めている。過年度にも概算費用は一応出したが、そちらより現実味のある数字が出てくるところはちょっと進んでいて、近鉄がどれぐらい払えるかという話にもなってきているので、その辺の進捗は多少なりともあるかと思っている。

矢追もと
ありがとうございます。県はそのように進んでいるということで、昨年度から3回行われているまちづくり検討会、これは県が中心となって進めてくださっているとお聞きしているんですけれども、これからもまた予定されているということなんですが、過去の3回の中で市が得られた情報、それと、市が発信できた情報というのはどういったものがあるのか。つまり、進んだ部分ですよね。去年から市として進んでいる部分というのをお聞きしたいんです。それで、これからもまた検討会が行われるということなんですけれども、今後は、去年のものを受けてどんなことをされる予定があるのか、分かっている範囲で結構ですので、教えていただけますか。

市街地整備課長
昨年度、検討会を進め、当初、令和元年、2年に、市と県の意見をすり合わせ、この地域でこういう施設が要るのではといろいろ検討して一旦素案はできたが、その後、また時間の経過とともに、機能の要不要が多少出てきたので、その辺を市の意見として伝えられたのかなと思っている。あと、以前に議員からも聞いていたが、入院患者、子どもが入院している家族の負担を減らす宿泊施設とか、そちらなどは意見として医大も認識しているので、そういうところでは皆の認識が多少は変わっていっているのが進捗かなと思っている。

矢追もと
ありがとうございます。市のほうでも、こういった機能は要る・要らないというふうな意見を県と交わしているということですとか、私が市街地整備課さんに何度か行かせていただいて、入院患者さんの看病をされている、付添いの方々のレスパイト施設というのが、かつて、市民ワークショップの当初から、こういった機能がここにあったらいいのではないかというふうな声があり、私自身もそのワークショップに参加させていただいていて、必要性をとても感じておりましたので、こういうふうなことが実現可能そうなのか、いろいろな他市の事例も検討していただけないだろうかということで要望させていただいたことがありました。それで、それも受けて意見を交換していただいているということで、今、確認させていただいたんですけれども、そういった、市が、こういうふうな機能があったほうがいい、これはなくてもいいというふうにおっしゃっていただいている、それと、県はこういうふうに考えているような絵が具体的に出てくる、案として出てくるのはいつぐらいになるんでしょうかね。といいますのは、こういうふうな図というのはほぼほぼ平成30年のワークショップ頃からずーっと変わらず頂いておりまして、ずーっと年々こういった場で説明はいただいているんですけれども、いつ具体になってくるのかなと。時間がかかることは承知しているんですけれども、中身について、もっといろんな議論とか意見の吸い上げがされている様子が感じられるようになるのはいつ頃なのかなとお聞きできますでしょうか。

市街地整備課長
成果図などは今、ちょっと、正直、示せるものはない。県も県議会に報告するために必要になると思うので、調整しながら完成させてもらったら、こちらの場で示したい。

矢追もと
ありがとうございます。長い年月をかけて考えていかれる計画というふうになってくるかと思います。その中で、かつてからのワークショップの意見も反映していただきつつ、今のニーズというのもまたそれに付け加えていかなくてはならないわけで、やはり時間が経過すればするほど、過去の意見を今の計画に反映させなければいけないということも出てくるかと思うんですね。なので、しかるべき段階で、市がどういうふうに考えているのか、県がどういうふうに考えているのかというのも私どもに聞かせていただきたいと思います。こういうふうに本当はしてほしかったんだというのが後出しで出てきて、全く聞き入れていただけない状態となっても困りますので、そういった点、またご考慮いただきたいと思います。

12月19日
一般質問

健康(健幸)ポイント制度について

 日本人の平均寿命は戦後大きく延びました。平均寿命とは0歳における平均余命のことで、厚生労働省によると1990年に男性は75.92歳、女性81.9歳でしたが、2019年には男性81.41歳、女性87.45歳まで延びました。一方、健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間のことをいい、2019年の平均の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳です。つまり、平均寿命と健康寿命の差は、日常生活に制限のある、言わば不健康な期間であるといえます。2019年のデータで割り出すと、男性で約9年間、女性で約12年間となります。長生きされる分、この期間が長くなっている。女性のほうは12年間と長くなっているということも分かります。
 近年、単に寿命を延ばすだけではなく、いかに健康に生活できる期間を延ばすかに注目が集まっています。そして、健幸ポイント制度は、この健康寿命を延ばすための施策の1つです。自治体によって取組に差はありますが、主にウオーキングや運動教室への参加、がん検診などでポイントがたまり、ポイントと地域の商品券などが交換できるような取組のことを呼びます。体を動かすことで健康を維持し、医療にかかる機会を減らしたり、介護予防につながることが期待されます。制度の導入に向けて、市に引き続き働きかけていきます。

矢追もと
私は議員になって直後の令和3年3月の一般質問で、健幸ポイント制度導入について質問しました。その際に市からは、「aruku&(あるくと)」というウオーキングアプリの事業をしているが、国保加入者が対象という側面が大きく、今後は、全庁的な取組として、デジタル戦略課などとも連携、協議しながら拡大していきたいという回答をいただきました。ただ、現在も健幸ポイント制度実施についてめどは立っていません。ちょうど新型コロナのワクチン接種が始まる直前の時期でしたし、財政危機宣言もその後ありましたので、難しい時期であったかなということは私も理解はしております。
さて、市長は先日の選挙で当選され、2期目の任期に入られました。市長は1期目の選挙の際、公約として健幸ポイントの実施を掲げておられました。今回の選挙の際の公約には、具体的な取組名として健幸ポイントは挙がっていませんが、まだやりたいというお考えはありますでしょうか。昨日も同様の質問がありましたので、簡潔にお答えいただきたいのと、もう1つ質問したいのですが、もし健康寿命を延ばす事業に予算が必要な場合、財政負担はないがその分効果検証ができない事業と、市の財政負担はあるけれども効果検証ができる事業、どちらに取り組みたいと思われますか。

亀田忠彦市長
「健幸ポイント」と明記はしていないが、高齢者が元気で長生きできるよう健康増進の取組を推進したいと。当然、その中には健幸ポイントということは入っておるという認識で、次の4年間も何とかこの健幸ポイントを活用した取組ができるようにしたいという気持ちを引き続き持っている。予算がかかる・かからないというふうな質問だったが、効果検証していかないといけないというところからすると、ある程度の費用負担は要るというイメージを持っている。いろいろ検証してみたいが、どちらかといえばそういった考えのほうに近い。

矢追もと
2択ということで、難しい質問となりましたけれども、効果検証ができる施策、じゃ、これは具体的にどんなことを言うのかという点で、引き続き質問を続けたいと思います。
 再来年、2025年に団塊の世代全てが後期高齢者になります。今後も少子高齢化が進むことが分かっていますが、医療費、特に後期高齢者の医療費と介護給付費において、将来の市の財政負担を今どのように予測していますでしょうか。また、現在も健康寿命を延ばすための取組はあると思いますが、エビデンスに基づく施策や医療・介護給付費の抑制効果があるなど、効果検証が可能な取組がされているのかどうかをお答えください。

北野哲也・こども・健康スポーツ部長
まず、後期高齢者医療における財政負担の予測だが、後期高齢者医療では保険者である広域連合に今後の医療費の推計値があるかどうか確認したが作成していなかった。そのため、令和4年度から6年度までの橿原市後期高齢者医療の医療費を概観すると、令和4年度は約152億円、令和5年度・令和6年度は予算額として、令和5年度は約164億円、令和6年度は約172億円。医療費の市負担は令和4年度で約12億7000万円、令和5年度で約13億7000万円、令和6年度では約14億4000万円となる見込み。
また、エビデンスに基づく医療費抑制効果のある健康寿命延伸の取組は、糖尿病や高血圧症など生活習慣病の予防と早期発見を目的として、国保と後期高齢者医療で特定健診・長寿健診を実施している。この健診結果を活用し、指導が必要と判断される数値となっているが病院の受診歴がない方に病院への早期受診勧奨や生活習慣の改善としての栄養指導などの助言を行い、一定の効果があると認識している。がん検診もあり、がんを見つけることだけではなく、検診の対象となる人たちの死亡率を低下させているということがこれまでの研究によって示されている。胃がん、肺がん、乳がん、子宮頸がん、大腸がんの5つのがんは、それぞれの特定の方法で検診を受けることで早期に発見でき、さらに治療を行うことで死亡率を低下させることが国立がん研究センター中央病院の研究によって科学的に証明されている。

太田愛子・福祉部長
介護費における市の財政負担の予測は、介護保険事業計画策定時に、総合的かつ効果的な高齢者施策を推進するため、中長期的なニーズの把握に努め、介護保険制度の健全な運営を図るため、介護保険事業計画で介護給付費を推計している。現在、第9期を策定中であるため、直近の推計は第8期のデータを基に、2025年と団塊ジュニア世代が65歳以上となる2040年の推計を示す。
令和3年3月策定の第8期介護保険事業計画での全体推計として、2025年の介護給付費は93億5540万2000円、地域支援事業費は6億6420万9000円。2040年の介護給付費は111億6744万9000円、地域支援事業費は8億3326万9000円。介護給付費では約18億円の増、地域支援事業費は約1億7000万円の増と推計している。そのうち市の2025年の財政負担は約12億6791万1000円、2040年は約15億2893万6000円と推計され、約2億6000万円の増と推計している。
健康寿命延伸の取組については、一般介護予防事業として、元気はつらつ体操教室、シニア塾、介護予防セミナー、ふれあいサロン、元気な一歩会など様々な事業に取り組んでおり、事業計画策定時等にPDCAサイクルに沿った事業評価を実施しているが、数字による成果はない。

矢追もと
後期高齢者の医療費の財政負担予測データは広域連合のほうでつくっていないということだったんですけれども、教えていただいたのが令和4年から令和6年の中の予算も含んだ3か年だけでの数字でしたので、できましたらもう少し分かりやすいデータを教えていただきたいなと思うんです。例えば、橿原市の高齢化率は年々上がっているんですけれども、10年前、5年前と直近の令和4年などで実績としてどのぐらい差があるのか。市の財政負担の部分と、あと、人数の部分だけでいいので、データをお持ちでしたら参考までに教えていただけないでしょうか。

北野・こども・健康スポーツ部長
被保険者数は令和4年度は1万8319人。それにより、市が負担している医療費は12億6600万円。5年前の2018年度は被保険者1万6288人、医療費11億4700万円程度。10年前の2013年度は被保険者1万3066人、市負担分は9億1300万円程度。

矢追もと
介護の負担については、2025年から2040年で比較すると、2億6,000万円増大するであろうという予測がされていると。後期高齢者の医療のほうも増加が予測されているんですけれども、正式なデータは現在のところはない。ただ、過去のデータをお聞きしていると、右肩上がりであろうなということは想像に難くないわけですね。この予測データがないということは何を意味するかといいますと、例えば、今後その負担を抑えるための数値目標もつくれない状況なのかなというふうに思います。橿原市の高齢化率というのは、予測値で、令和7年ですと29.9%、令和22年ですと36.4%と、この橿原市の令和3年3月の計画の中、橿原市第9期老人福祉計画及び第8期介護保険事業計画の中でそのように将来の高齢化率を予測されています。この高齢化率というのは、結局、高齢者の人口が多くなるということはもちろんなんですけども、その支える若い方々の世代の人口が減っているということを合わせて、結局、高齢化率が上がるということになりますので、財政負担ということは、一緒にそれを支えるための方策はどうしなければならないのかということも併せて考えなければならないというふうに考えます。
先ほどいろいろな取組もされているということをお聞きいたしました。がん検診ですとか、そういったものでがんの早期発見が大切なのは言うまでもありませんし、長寿介護課が行っています高齢者向けの取組にも意味があって、それを否定するものではありません。しかし、効果検証、費用対効果を数値化するというのは正直難しいと思います。また、現在の施策では、そもそも関心が薄い方、健康への関心が薄い層へのアプローチが弱いことや、なるべく若いうちから、遅くとも60代ぐらいからは健康増進や介護予防への意識づけが必要なことなど、課題が多くあります。また、保険医療制度を担当する保険年金課や、または検診を担当する健康増進課、介護や高齢者を担当する長寿介護課が一体となって行っている施策というのが見受けられませんでした。
 国の推計では平均寿命はさらに延びると予測されています。高齢者人口や要介護者が増加する中、若い、支える世代の方々の人口が減る中で、具体的に高齢者をどのように支えていくのか、今のままで大丈夫でしょうか。必要な方が医療・介護を受けられるということは大前提です。ただ、健康で長生きは誰しもが望むことです。健幸ポイント制度は、健診あるいは介護予防の体操教室などの参加でポイントを付与することもできるため、今ある取組の効果を上げるためにも有効です。過去には、私の質問で、検討・協議するとおっしゃっていただいていますが、市が健幸ポイント制度を導入するに当たり、まだめどが立っていない状況だと思うんですけれども、足踏みしている原因と申しましょうか、どんな課題が現状あるのかを教えていただけますでしょうか。

北野・こども・健康スポーツ部長
やはりまずは財政面が課題という認識。人口規模が近い都市で同様のことを実証した際には、約8000万円かかったと聞いている。また、どの程度の医療費の抑制効果があるのかや、ポイントをためる方法、還元する方法を、アナログ式にやるのか、デジタル式にやるのかといったことも今後検討は必要かと考えている。その際にも、事務手続や費用対効果も含めて総合的に調査・研究が必要と考えている。

矢追もと
まずは第一に財政面というのが大きなハードルになるということは私も理解いたします。そのためにも、効果検証ができる取組、その費用がきちんと見返りがある形で市民に還元されるのか、これはすごく大きなポイントだと私も考えています。そこで、健幸ポイント制度、もう一度目を向けたいんですけれども、これは、参加者の生活の質が上がり、結果、介護予防ですとか医療費の抑制効果が期待できます。しかし、やり方によっては効果検証ができません。私がここで注目したいのは、具体的にちょっと名前を挙げさせていただきますが、つくばウエルネスリサーチと「Smart Wellness City首長研究会」の取組です。ちょっとここからご説明させていただきますので、ぜひお聞きいただきたいと思います。
2002年に筑波大学の久野譜也教授が、健康増進分野では日本初の大学発ベンチャーである株式会社つくばウエルネスリサーチを設立されました。きっかけは、大学と自治体との医療・介護分野の共同プロジェクトを行う中で、研究者の中では常識となっている研究成果が地域の健康づくりに全く生かされていないという実態を目の当たりにしたことだったそうです。その後、全国の先進的な取組を行う自治体に声をかけ、健康をまちづくりの基本に据えて、総合的な健康政策を推進・実行する「Smart Wellness City首長研究会」が2011年に発足されました。
 この研究会では、健康の「康」という字に「幸」という字を当てて、健幸とは、「個々人が健康かつ生きがいを持ち、安心安全で豊かな生活を営むことのできること」を指し、新しい都市モデル「Smart Wellness City」構想の推進を行っています。発足時には11だった加入自治体数は、現在、127にまで増えています。加入により、先進事例を知ることができるのはもちろんのこと、年2回の研究会を開いて、大学教授や国の省庁からの担当者、有識者などから最新事情の講演を聞くことができるほか、参加自治体が情報共有を行う場にもなっています。国の交付金も活用し、複数の自治体での連携でプロジェクトを行うなど、自治体の規模に関わらず、広く取組ができる事業を進めています。
特に私が注目する点がこの中で2つあります。まず、この「Smart Wellness City首長研究会」の中での取組の注目する点は、健康づくりに興味を持たない人をいかに取り込むかという工夫です。ヘルスリテラシーという言葉があります。これは、健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力のことです。久野教授の行った調査では、このヘルスリテラシーが低い層は全体の7割ほどおり、従来の施策の効果があるのは、健康の関心がもともと高い層であることを指摘しています。つまり、残りの3割ぐらいが、従来のがん検診ですとか体操教室などに参加されている可能性が高いということです。そして、これからの健康長寿社会には、無関心層をいかに取り込むかが課題です。それに効果的なのが、ポイントを付与するという成果報酬(インセンティブ)の導入です。「そんなことで?」と思われるかもしれませんが、実際にどのくらいの報酬の額(ポイント)がよいのか、より効果を高めるにはどのような周知を行うかなどを研究されています。また、口コミが参加のきっかけになることが多いことにも着目し、積極的な参加者の中から、周囲へ情報を伝える役割となるアンバサダーを養成することにも力を入れています。
 もう1つ注目すべき点が、先ほどから申し上げているエビデンスに基づいた取組であることとその効果検証です。健幸ポイント事業を行っている加入自治体は、つくばウエルネスリサーチと連携し、事業に参加した層と参加していない層とで、医療費、介護給付費の抑制効果がどのくらい出ているかを検証しています。
1つの事例をご紹介いたします。兵庫県川西市、新潟県見附市、千葉県白子町の3つの自治体が共同で行った成果連動型健幸ポイントプロジェクトでは、まず、プロジェクトの最初、始める前に、医療費の抑制額や介護認定リスクの目標値を決めて取り組まれました。新規参加者の77%がもともと運動が不十分な層で、政策効果が期待できる住民が多く集まったそうです。結果、プロジェクトに参加した75歳以上の後期高齢者の1年間1人当たりの医療費と介護給付費は、参加しなかった群との比較で、2年目には平均20.9万円の抑制効果が出ていることが分かり、また、介護認定の発生リスクは4年目に52.6%低減したそうです。
他の自治体の事例でも、医療や介護給付費の抑制効果が確認されています。お隣の田原本町は、令和2年から「たわらもと健幸ポイント事業」を始められました。今年5月に開始から2年間を通しての結果として発表された数値では、当初から参加している75歳以上の参加者1人当たりの医療・介護給付費は、非参加者と比べ年間16.4万円低い結果となりました。参加者全体では非参加者と比べ2年間総額で8,100万円の差があったとのことです。田原本町へは私も視察に伺い、お話をお聞きしてきましたが、ポイント付与による効果のほか、ウオーキングの歩数をランキングで発表できる仕組みがあり、上位になったり、友人と張り合ったりすることが参加者のやる気アップにつながっていることもお聞きしてきました。ポイントは地域振興券にすることで地域経済の活性化にもつながっています。
このように、健幸ポイント制度は、参加者の生活の質が向上し、医療費、介護給付費の抑制につながる取組です。特に私はこの「Smart Wellness City首長研究会」での研究や自治体間連携、さらに、大学や企業と連携して効果が現れる取組として、健幸ポイント事業を実践されているところに魅力を感じました。橿原市で健幸ポイントを始められるのであれば、研究・調査は欠かせません。どのような対象者に、どのような効果を狙って行うのか、その効果が検証できるのか、しっかりと検討しないまま施策を実施しては、予算の無駄遣いになる可能性があります。橿原市の中で各部署が個別に検討するより、市の大きな施策として、まず、ぜひ「Smart Wellness City首長研究会」に加入し、過去の研究成果、自治体の事例、効果的な補助金の活用方法などの情報収集を行ってはいかがでしょうか。市のお考えを聞かせてください。

北野・こども・健康スポーツ部長
高齢化が進み、その方々がいつまでも健康に長く生活していただくことは市の活力となり、結果的に公費の抑制につながると認識している。全国的な共通課題である。本市の方々が「健幸」となる取組を自発的にしていただくために、ふだんから歩くことなどの比較的簡単な運動を心がけることや、体重をコントロールするために食習慣の行動目標などの啓発は本市においても様々な分野から発信しているが、冒頭申し上げたように全国的共通課題であることから、多くの自治体が首長研究会に参画していることも踏まえて、関係部局とも協議を行いながら、調査・研究をしていきたい。

矢追もと
今、こども・健康スポーツ部長にご答弁いただいたわけなんですけれども、もしこれをやるとなりましたら、以前、「aruku&(あるくと)」というアプリの事業をしてくださっていた保険年金課が取り組む事業というわけではないと思うんです。部局を超えた取組になると思います。予算ですとか新しい組織体制などが必要かもしれませんが、私は取り組む価値がある政策だと思います。
今日は時間も限られ、詳しくご紹介できませんが、「Smart Wellness City」の取組はほかにも様々な施策と結びついています。例えば最近では、美的景観のよい地域に住んでいる人や社会的なつながりが高い地域ほど健康度が高いなど、まちの構造と健康の関係について様々なデータが出てきており、住んでいるだけで「歩いてしまう、歩き続けてしまう」ような環境を整備することもその1つです。つまり、道路の整備ですとか景観政策、ウオーキングコースの整備なども含まれてきます。また、当初は高齢者向けの施策として始めていた自治体が、次第に対象年齢を拡大して、働き盛りの若い方もこの健幸ポイント制度に参加可能にしたり、出産後の母親の健康の支援などにもその範囲が広がってきています。
また、健幸ポイントを、地域振興券だけではなく、橿原市独自のデジタル地域通貨にすれば、ポイント付与がしやすくなったり、使いやすくなったり、様々な場でそのポイントを使っていただける可能性というものも生まれてまいります。この「Smart Wellness City」という1つの切り口で様々なことが始められると考えます。「Smart Wellness City首長研究会」に加入した自治体の中でも、それぞれの地域性などによって取組が異なりますし、直ちにポイント事業を行っているわけではありません。まずは、ぜひ市長には、「Smart Wellness City首長研究会」に加入していただき、市の取組として研究・調査を進め、健幸ポイントを実施するとおっしゃっていただきたいのですが、市長のお考えを聞かせてください。

亀田市長
健幸ポイント制度は、参加した方の生活の質、クオリティ・オブ・ライフが上がり、介護予防や医療費の抑制につながり、またさらには、子育て世代や働き盛りの世代、高齢者の世代など、幅広い世代の方が参加できる仕組みにもできるというふうな、そんな可能性もあるというふうに感じている。「Smart Wellness City首長研究会」にぜひ入ると明言しろという質問ではありますが、なかなかはっきりと返事ができる状況ではない。ただ、時間をかけずに、この「Smart Wellness City首長研究会」の中身をしっかりと私自身が調べてみたい。関係部局、全庁的にと申されたが、その必要はあると思っている。健康増進だけではなくて、様々な効果がこの健幸ポイント制度を導入することによって生まれてくるんだろうとイメージできているので、まずはしっかりとこの首長研究会のことを調べて、自分の中で判断していきたい。この健幸ポイント制度についての取組は橿原市としても積極的に取り組んでいきたいということは冒頭申し上げたとおりで、昨日も申し上げたが、いろんなポイントが付与できると思います。健康づくりだけじゃなく、ボランティア活動などいろんな活動に参加するとポイントが付与されるみたいなことで、全世代がポイント付与にモチベーションを上げながら生活の質が向上へと向けていきたい。健康増進は大事な観点だが、様々な効果が生めるような健幸ポイント制度をつくり上げていきたいので、しっかり検証していきたい。

矢追もと
今ここで加入について明言はいただけませんけれども、積極的に考えていただけるということで、ぜひこちらをすぐに検討に移っていただきたいと思います。また、今申し上げましたように、様々な部局の取組と連動することが可能ですので、それぞれの課が個別に事業を始めて、それぞれで効果検証ができるか・できないか分からないというよりは、全体でこの1つの「Smart Wellness City」のまちというものに向かって、どんなふうに効果を連動させていけばいいのかという視点に立って、ぜひぜひ検討していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

障害者差別解消法の改正について

 全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障がいを理由とする差別の解消を推進することを目的として、平成25年6月、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(いわゆる「障害者差別解消法」)が制定され、平成28年4月1日から施行されました。さらに、令和3年5月、同法は改正され、来年4月1日から施行されます。
 従来法では、障がいを理由とした差別的取扱いは、行政機関、事業者ともに禁止。一方、障がい者から申出があった場合の合理的配慮の提供は、行政機関は義務、事業者は努力義務でした。
 しかし改正により、事業者に対しても合理的配慮が義務化されます。
 合理的配慮とは、障がい者が生活の中で出会う障壁を取り除くための変更や調整のことをいいます。例えば、車椅子の方が飲食店で車椅子のままテーブルに着けるよう椅子を片づけることも1つですし、視覚障がい者の方との契約の際に、複数人で立会いの下、契約内容の代読や契約書記入の代筆を対応するなどが挙げられます。雇用分野では、障害者雇用促進法において、以前から民間事業者にも合理的配慮は義務化されています。今回の改正では、対利用者、対お客様に対しても、障がい者から事業者に対して何らかの配慮を求められた場合、事業者側は、過重な負担がない範囲で、社会的障壁を取り除く配慮を行わなくてはならないと定められました。
 事業者の準備が必要ですが、橿原市はどのようにサポートしようと考えているのか質しました。

矢追もと
 令和6年から新しくなる予定の橿原市障がい者福祉基本計画での重点施策には、合理的配慮の浸透とアクセシビリティの確保が挙げられています。書かれていることを実行するためには事業者への周知が必要ですが、事業者において合理的配慮が提供されるための市の取組は、現在どのようなことを予定されていますでしょうか。お聞きいたします。

太田・福祉部長
本市は引き続き市民や事業者に対して周知・啓発を行うとともに、障がいのある人、市民の皆さん、事業所の方々などからの相談に丁寧に今までどおり対応する。周知・啓発については、市の広報誌やホームページに加え、市役所内における関係部署や「橿原市・高取町・明日香村地域生活支援協議会」とも連携を取りながら、事業所等への周知や啓発を図っていきたい。相談対応に関しても、障がいのある人の生活全般に関わるので、関係部局とも協力し、全庁的に対応できるよう努めたい。

矢追もと
ありがとうございます。関係部署や関係団体と連携しながら周知・啓発していく、あとは事業者さんからの相談を受けるというものが主な取組だというふうにお聞きいたしました。法改正の内容等、合理的配慮の具体例などを知っていただくということも重要です。ただし、文字のお知らせだけでは、実際に市民に浸透し、具体的な行動に移していただけるかが不明です。どのような配慮が必要かは障がい者の特性によって異なり、その場合は対話がとても重要になります。合理的配慮は、「過重な負担でない範囲で行う」という部分を事業者が拡大解釈する可能性も考えられます。例えば、「前例がない」ですとか「何か起こったら困る」といった対応は避けるべきだとされています。合理的配慮が浸透するためには、事業者が過去に障がい者の方と接する経験があるかないかでも違うと思うと、私はそのように考えるんですけれども、先ほど部長も、研修、啓発機会の重要性が言われているというふうなことをおっしゃっていたんですけれども、例えば当事者を交えた研修会などの開催は可能でしょうか。

太田福祉部長
この改正は、事業所もさることながら、障がいをお持ちの方本人についてもまだまだ認識が低い。障がい者福祉基本計画等の策定に際し、昨年度に実施した市民アンケートでは「障害者差別解消法」や「合理的配慮の提供」について、「内容を知らない」と答えた人の割合が、障がいをお持ちの方で約70%、障がいを持たない方で約80%と非常に低く、障がいをお持ちの方の多くが知らないという結果になった。まずは当事者である障がいをお持ちの方への周知を重点的に行い、その後、一緒に事業所に対する周知、チラシ、ホームページ、それから社内報への掲載依頼等も考えながら、様々な方法を検討したい。また、当事者を交えた研修については、今後検討していきたい。

矢追もと
先ほどおっしゃっていただいたアンケート結果、障がいをお持ちの方の中でもこの合理的配慮の申出を行ってもいいというようなことを知らない方が70%もいらっしゃるというのは私も驚きました。要望を伝えてもいいのだというふうに当事者も認識する必要があるということですよね。私が思うに、今は言う前に諦めてしまっているということですとか、そもそも、その法律の内容が浸透していないのかなというふうに感じました。
過去にそういった飲食店ですとか販売店ですとかいろんな事業者を利用する際に、嫌な顔をされてしまったであるとか、冷たい対応をされたなどの経験があると、最初から諦めてしまったりであるとか、申し出ることもちゅうちょされるかもしれません。発達障がいですとか感覚過敏などで、目で見て分かりにくい障がいの場合もあります。ですので、理解のある事業者の情報というのを求めて、当事者同士が情報交換されることが多いとも聞いております。
 また、合理的配慮は、障がい者からの申出を受けたときに行うとありますが、言われるまで何もしなくてもいいということではなく、可能であれば、あらかじめ段差を解消するなどの環境を整え、それを情報公開することも大切です。例えば、筆談ボードを準備しておいて、「筆談ボードあります」と表示しておくことなど、当事者の方の印象は大分違うのではないかと思います。そういう当事者側の声や実体験を生かしてほしいと私は思い、研修の開催についてお聞きいたしました。ぜひ今後検討も含めて周知の方法について考えていただきたいと思います。
 さて、ノーマライゼーションという言葉があります。「標準化」「正常化」といった意味ですが、その意味は、高齢者や障がい者などを排除するのではなく、健常者と同等に当たり前に生活できるような社会こそが正常な社会であるという考え方です。橿原市第4次総合計画の中では、障がい福祉分野の目指す姿として、「障がいのある人もない人も、誰もがお互いに尊重し支えあいながら、いきいきと暮らしています。」とあります。成果をはかる指標としては、障がいのある人が日常生活を送るための環境が整っていると感じる市民の割合で、策定当時の実績値は、残念ながら15%と低い割合です。この成果指標を上げるためには、市民や事業者の理解を促進する必要があります。
今回の法改正で言われている事業者とは、飲食店や販売店、クリニック、個人事業主やボランティアサークルなども含まれます。法改正を機に、ノーマライゼーションの考え方を市民に浸透させ、効果的な動きにしていくには、理想を障がい者福祉基本計画に記すだけではなく、実際には様々な課と連動していく必要があります。対象を地域の事業者とするのであれば地域振興課であったり、観光分野なら観光政策課、クリニックなら健康増進課、サークルなどなら市民協働課などが挙げられます。どのような分野の方々に、どのような方法でアプローチすれば効果があるのか。本来であれば、アクションプランなどを作成し、具体的な行動に落とし込んでいく必要があるのではないでしょうか。市民へ浸透させるために何をするのか。例えば、取組を実施している事業者の情報を共有するであるとか、一定の研修をすることで認定証を付与するなど、各課で具体的な取組を工夫し、実践していく必要があるのではないでしょうか。お考えを聞かせてください。

太田福祉部長
議員お述べのアクションプランについては、今のところ策定する予定はないが、法の趣旨・内容が市民に浸透していないか、まずは市民、それから障がいをお持ちの方に広く周知をしていく。また、職員も法律等をしっかり研修して、関係機関、職員同士、それから部局を超えて連携して取り組んでいきたい。それから、「橿原市・高取町・明日香村地域生活支援協議会」も活用しながら、広域的に取り組みたい。

矢追もと
アクションプランについては策定の予定がないということですので、どのような取組を行ったかの結果をお聞きする機会がなかなかありませんので、今後、こういうふうな質問の機会ですとかを通しまして、各課と、どのような部局と、どのような取組を行ったか、連携したかについて度々質問をしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。さて、行政は以前から合理的配慮が義務になっています。ユニバーサルツーリズムに基づいた整備や情報発信については、6月議会でほかの複数の議員からも質問がありました。ただし、観光目的でインターネットを検索しても、必ずしも観光情報のページがヒットするとは限りません。例えば「今井町」で検索すると、トップページに上がるのが、町並保存整備事務所が担当している今井町の紹介ページで、今井町のことですとか施設の紹介がされています。このページにも、ユニバーサルツーリズムに基づいた情報発信はされるのでしょうか。どのページからも情報が取れるように、まず各部署が意識を持ったページ作成を行い、足りない情報については、掲載されているホームページのリンクを張るなどの工夫が必要だと思いますが、いかがでしょうか。また、今後も障がい者を取り巻く状況の変化や法改正などで、発信の内容にもさらなる工夫や変更が必要になると思いますが、その都度、部署ごとの取組や認識に差があってはなりません。全庁的に障がい者などに対して必要な情報を発信するため、それを主導し、旗振り役となるのは、ホームページや広報を担当する秘書広報課でしょうか、もしくは障がい福祉課でしょうか、お答えください。

岸本裕史・魅力創造部長
本市ホームページの観光情報は、観光情報ページを作成し、「今井町」や「藤原宮跡」など観光スポットをカテゴリー別に表示しており、情報元のページにリンクさせて発信している。これにより、情報元のページで更新した結果が観光情報ページに即座に反映される仕組みとなっている。また、議員お述べのような「今井町」で検索された方でも、画面上では少し分かりづらいが、そのページから観光情報ページに移れるようなリンクも備えている。現在、観光政策課では、観光しようとする方が知りたいバリアフリーなどの施設情報をホームページに掲載するため、調査を進めている。ホームページに掲載する際には、関係部署と調整を図りながら、どなたでも、どのページからでも情報が得られやすくなるような工夫をしたいと考えている。

太田・福祉部長
広報等のバリアフリー等の情報変更があったとき、ホームページの担当課は秘書広報課だが、障がい福祉担当部局として、障がい福祉を取り巻く社会情勢や環境の変化、また法律の改正などの情報についてその都度、関係部局等に情報発信をする。また、秘書広報課とも一緒になって連携しながらこれからやっていきたい。市役所内で別途開催しているバリアフリー推進協議会とも連携していきたい。

矢追もと
先ほどの魅力創造部のほうからご答弁いただきました今井町のページについても、観光情報ページのほうとつながっているということで、そこでは情報を取りやすくなっているというふうなご説明をいただいたんですけれども、部長もおっしゃったように、今現在、分かりやすい場所にはない状態になっています。ちょっとそこまで見るかなというところに配置されていたりしますので、もう少しその辺は分かりやすい表示を行っていただきたいということと、今回たまたま、今井町並保存整備事務所というのは、文化財のような、そういったところが全て今、魅力創造部の中に含まれていますので、同じ部局の中で行動を共にしていただく、情報の共有もしていただきやすいのかなというふうに思うんですけれども、まだまだほかにも部局を超えて取組を共に行わなくてはいけないところがあるのではないかなというふうに想像いたします。やっぱりそういうときには、障がい福祉課が障がい者の立場に立って、いろんな情報が一番集まってきますので、ぜひ、障がい福祉課を発信源として各部局にいろいろな情報をお伝えいただきまして、障がい者の立場で使いやすいホームページのほうに主導していただきたいなと、ご活躍をお願いしたいなと思っているところです。

矢追もと
橿原市では、平成30年に手話言語条例が施行されました。せっかくですので、最後は手話で少し市長のほうにお聞きしたいと思います。少しだけマスクを外させていただきます。
(手話で)では、市長にお聞きします。障がい者も、障がいのない方々も、全ての方が尊重されて、安心した生活を送り、人生を楽しむことができる環境の整備のために、法律を理解して、具体的な取組、行動ができるようになることが必要だと思います。今現在は市役所の取組が足りていないと私は思います。市長のお考えはいかがでしょうか。
亀田市長
私も手話を勉強しているが、そこまでの手話はできないので、口頭で答弁したい。
全ての国民が、障がいの有無によって分け隔てられることなく、お互いの人権や尊厳を大切にし、支え合い、誰もが生き生きとした人生を享受することができる共生社会の実現に向け、行政としてしっかりとした取組を進めてほしいという趣旨の質問と思う。
障害者差別解消法の目指すところは、障がいのある人が生活していく上で直面する様々な「社会のバリア」を少しずつでもなくしていき、誰もが排除されることのない、共生の社会をつくることだと考えております。法律では、障がいのある人に対する不当な差別的取扱い及び合理的配慮の不提供を差別とし、行政機関や事業者も含めた国民一人一人が、それぞれの立場において自発的に取り組むことを促している。そういったことから、社会的障壁を取り除くことは社会の責務であり、議員お述べのように、差別の解消をさらに推進するため、市民の意識の向上、社会全体の機運の醸成に取り組むことが大変重要だと考えている。
私自身が手話をやっていることも何かそういったきっかけになればいいなと思っている。また、月2回の部長会議でも部局長全員とレッスンを受けている。できたら全庁的、全職員にもそういったことを広めていきたい。手話ができるということがゴールではなくて、手話を学ぶことによって距離がぐっと近くなる。聴覚障がいのある方との距離が近くなる。そういう方を尊重する、そういう方の気持ちに寄り添う、そういう心が芽生える、いろんな効果があるんだろうと思う。そういったことを最終的には市民全体に広げていくことによって、障がいのある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくっていくということにつながるんじゃないかなと。できることから少しずつやっていくことが大切だと思うので、あらゆる機会・手段を通じて、全庁的課題として取り組んでいきたいと感じている。

矢追もと
私が昔、お店で働いていたときに、時々、聴覚障がい者のお客様がいらっしゃっていました。筆談でコミュニケーションをしていたんですけれども、簡単な手話を覚えて使ってみたときに、聴覚障がい者のお客様がとっても驚かれて、とっても喜んでくださった。私もとってもうれしかったです。なので、少しだけなんですけれども、やってみる気持ちが大切かなと私は思っています。ありがとうございました。