4月22日
文教常任委員会厚生常任委員会連合審査会

橿原市保育所・幼稚園の適正配置に関する今後の考え方について

橿原市は保育所と幼稚園の将来的な適正配置について検討しています。つまり、少子化にともなって合併や廃園などを考えるということです。

現在、橿原市には公立の保育所と幼稚園を一体化したこども園が5園、単独の公立幼稚園が10園あります。こども園は定員を超える入所希望があります。共働きが増えたりしているためです。一方で、公立幼稚園は園児が減り、老朽化している施設もあります。

これまでの経緯
2020年1月、橿原市が「市保育所・幼稚園適正配置検討委員会」に保育所、幼稚園の将来的な姿について検討させる
2021年6月、委員会が市に答申書を提出

この日は橿原市が検討している内容について説明がありました。

まず、幼稚園に関して5つの方針が示されました。

  1. 公立幼稚園の統合
    橿原市は、規模が小さくなると集団生活ができないためにこどもの生育に良くないと考えているそうです(私は100%同意できません)。また、老朽化している施設もあるため、公立幼稚園の統合を進め、認定こども園にしていきたいと説明がありました。
  2. 認定こども園の整備
    認定こども園は、幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型という4タイプあります。公立幼稚園は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ幼保連携型、または幼稚園型に整備したいそうです。現在、市内に5つあるこども園は幼保連携型の認定こども園への移行を目指すとのことでした。また、これら5つの認定こども園は3で後述する民間運営に切り替えていく計画です。
  3. 民間による運営導入を検討
    市が認定こども園を設置・運営すれば、建設費や保育士を新たに確保する必要があります。一方、民間事業者が認定こども園を整備すれば国から財政支援が受けられるため、民間がやるようにすれば市の財政負担を大きく減らせるという説明がありました。ただし、民間がすることによる不安の声もあるため、法人移行後の保育・教育内容に関して市が関与できる公私連携幼保連携型認定こども園を目指すそうです。
     公私連携幼保連携型認定こども園とは「就学前の子どもに関する教育・保育等の総合的な提供の推進に関する法律」第34条にある幼保連携型認定こども園のひとつです。園の運営を安定して継続できる学校法人または社会福祉法人を市が指定します。その後、市と法人が協定書を結び、協定書の内容に沿った保育・教育を法人がするということになります。市は法人に教育・保育用の設備を無料や安く貸し付けたり、譲渡することもできます。また、国から助成金も受けられるとのことです。
     協定書には「市がこれまで実施してきた保育・教育内容を引き継いでください」「園区内の児童の優先的な入園」「支援の必要な児童の受入れ」などを明記することで、公立園の運営を継続してもらえるようになるという説明がありました。
  4. 公立幼稚園での3歳児保育の実施と預かり保育の拡充
    2021年度から、市内3つの公立幼稚園(晩成・真菅北・白橿幼稚園)で3歳児保育を始めています。全ての公立幼稚園で預かり保育時間の拡大も始まりました。3園以外でも3歳児保育をしてほしいという市民の声もあるのですが(私もそのように望んでいます)、設備や保育士不足などを理由に、市は「実施困難」としています。そのかわり、認定こども園なら1号認定の児童・幼稚園児でも3歳児から教育・保育を受けられるので、今後、公立幼稚園を認定こども園にしていけば対応できるという説明がありました。
  5. 小規模すぎると市が判断した公立幼稚園の休園
    市は学校教育法第23条第2号に「集団生活を通じて」さまざまなものを養うこととあるのを理由として、規模が小さい幼稚園は新園児の募集を停止するとしています。2024年度から園区制の廃止を検討するそうです。市は「人間関係が固定化するのを避けるために5人グループが3つつくれる15人が必要」とし、各学年の園児数が14人以下で2年続いた幼稚園は2年目秋の園児募集を止める考えです。これは2023年からスタート予定です。予定通りなら、少ない幼稚園は2026年から休園となります。

次に、具体的な幼稚園について説明がありました。

  • 畝傍南幼稚園、香久山幼稚園の休園
    方針5にある園児募集の停止基準に該当する可能性が高く、2024年9月の園児募集を停止し、休園手続きを進める予定。
  • 現在ある5つの公立こども園を認定こども園とし、将来的には民間運営に切り替えを検討
    2024年度に認定こども園への移行を進め、その後、民間運営への切り替えを検討する。
  • 真菅北幼稚園と耳成西幼稚園、耳成幼稚園と耳成南幼稚園を再編し、民間運営の認定こども園を目指す
    真菅北幼稚園と耳成南幼稚園の園舎は築年数がともに46年で建て替え時期が迫っている。市にはいまも待機児童が発生しており、市北部でこども園設置を望む声が多く、真菅北幼稚園と耳成西幼稚園、耳成幼稚園と耳成南幼稚園をそれぞれ再編し、方針3による幼保連携型認定こども園を目指す。耳成南幼稚園のほうが敷地が広いので、こちらに新しい施設をつくり、工事中は耳成幼稚園を使う。具体的な開園年度や事業スケジュールは現時点では示せない。
  • 畝傍東幼稚園、晩成幼稚園、真菅幼稚園、白橿幼稚園も将来的には再編を検討する可能性
    今後の就学前保育・教育施設の配置バランスや保護者等の保育・教育ニーズ等を考慮しながら、長期的には再編を検討する。

市はこうしたことを説明した上で、2022年度中に実施計画を策定すると説明しました。

矢追もと
 「園区制の廃止」という文言がありました。「休園に伴う保護者の不利益を緩和し、通園の選択肢を広げることができるよう、園区制の廃止を検討します」ということだったんですけれども、幼稚園に行かせようと思っていた保護者の方にとっては、自分の近くの幼稚園が統合されて、なくなってしまって、距離が遠くなってしまうというのは、かなりのデメリットになるかと思います。
 それで、通園の選択肢を広げるということで、園区制の廃止についてなんですが、どのような立てつけでされるのか。例えば、基本的にはその周辺の地域の方が優先してその園に通われることになると思うんですけども、その再編された地域の方々は市の全域どこでも行けると。例えば、地域の方が優先されるというような制限も受けないというふうなことでよろしいんでしょうか。

教育総務課長
休園、統合等において、子や保護者に不利益が被らないように、2024年度から園区の廃止を考えている。今回の園区廃止は完全廃止、どこに行ってもいいというのではなく、待機児童の解消や園がある校区内の園児を優先させることに配慮しているので、休園対象、再編対象の子どもは優先して、車で行ける、自転車で行ける範囲に行っていただく。ただ、それに対応して待機児童が増加すると何をしているか分からなくなるので、まずは休園、再編の子どもがどこでも行ける、プラス、全体の園区廃止は地区の人を優先することを考えている。

矢追もと
ありがとうございます。再編されることで、小規模の幼稚園はなくなっていくと思うんですけれども、反対に小規模のところを選んで行かせたい親御さんのニーズもあるかと思うんですよ。私も身近な方々のお話で、「子どもの数は減っているんだけれども、丁寧に見てもらえているからいいんだ」と、そういうふうな感想を漏らされる方というのがいらっしゃるんですね。私、昨年の3月の委員会の中で、発達障がいをお持ちのお子さんたちが安心して通える保育施設の整備、そういったものに特化した保育施設というのを造ってもいいんじゃないかというご提案をさせていただいたんですけれども、園が大規模になることによって、発達障がいをお持ちのお子さんたちが行きづらくなるというか、そもそも、たくさんの人数の中に行くことに抵抗を感じられるお子さんというのが、ある一定数いらっしゃるというふうに私は認識しているんですね。地域の幼稚園のほうに通わせていると。人数が少ないこともあって、今のところは問題なくいけていると。もちろん先生方のご努力もある中で、今は行かせてもらっているんだというふうな話も聞かせていただきます。大規模な園にどんどんまとめられていったときに、小規模の園を求められる方のニーズというのが消されてしまうと。私、そういった中でも、皆さんの選択肢を増やすために、発達に問題を抱えられている方のための保育施設の整備ということもご提案させていただいたんですけれども、小規模園というのが全くなくなってしまうのかということについて、今のところどのようにお考えでいらっしゃるか。発達障がいの子に対応する施設にしていくというお考えはおありかどうかということを教えてください。

教育総務課長
基本、学校教育法にあるように、集団生活を通じてということで、今は小規模園を減らしていく考えだ。ただ、矢追委員おっしゃるように、障がいをお持ちの方で集団生活に不安を感じている方はいるので、その方は次の段階、あと残り、畝傍東幼稚園、晩成幼稚園、真菅幼稚園、白橿幼稚園の再編のときに、そういう子どもたちにどう対応するか検討し、考えていきたい。

矢追もと
ありがとうございます。 昨年のご回答ですと、どの園でも発達障がいの子どもたちが受け入れられるような整備づくりをしていくんだと。例えば加配の先生も置ける、そういうふうな中で対応していきたいんだというふうなお話もお聞きしました。ただ、やはり大規模な園となると、そういったものではフォローできない問題というのが生じてくるかと思います。なので、いろいろなお母様のお話を聞いていると、やはり選択肢がある程度多いほうがいいんですよね。例えば、頑張っていただいている園であっても、その子に合わなかった、それで、また次の園、また次の園というふうに、何とかこの子に合う場所を探してあげたいというお気持ちでいろいろ検討されるお母様たちがいらっしゃいます。もちろん地元の近くのこども園で一生懸命整備していただいていても、もし合わなかった場合に、次はこういった選択肢もあるというふうな整備、そういった園環境を、今後検討をしっかりとしていただきたいと思いますので、要望としてお願いいたします。

矢追もと
もう1つお聞きしたいんですけれども、公私連携幼保連携型認定こども園についてなんですが、先ほどご答弁の中にもあったみたいに、今の正規の職員さんを市の運営するこども園に集めて、それ以外のところは民間の活力導入というふうな形でお話しされていたかと思うんですけれども、具体的にどのくらいの数がこの公私連携のものになって、どのくらいが市の直営になるのかというふうなところまでは出ているんでしょうか。ちょっと不安になるのは、保護者の方が、今でも公立の保育園、こども園に入れたいんだというふうなお気持ちをお持ちの方が多かったりする中で、幾ら市と協定を結んでいるというふうに言われても、できたばかりのところだったり、民間が運営しているところというのにちょっと抵抗感がある方ももしかしたらいるかもしれないと。始まってみたら、もしかしたら不安が払拭されるのかもしれないんですけれども、始まり出しというのは、やはり少し不安な方というのが多いのかなというふうに思いました。公立との差をどこまでなくせるのかというのは1つの大きな課題になってくるかと思うんですけれども、その点についてもどのようにお考えになっているか教えてください。

教育総務課長
現在、真菅北・耳成西の統合、耳成・耳成南の統合について公私連携を考えている。公立の幼稚園に通わせていた保護者には、私立に行くと方針が変わるのではないかと不安を感じておられると思う。協定書を締結することで、市の運営を引き継ぎとか、障がい児の方を受け入れてほしいということを明記するが、開園する前に保護者、事業者、市で協議会を設け、開園前から開園後も定期的に意見交換をして、市の方針、保護者のニーズに応えられるように、不安を解消できるように考えている。定期的なチェックも行っていきたい。

矢追もと
ありがとうございます。
教育総務課長は「こども園の設置を望む声がパブリックコメントにもたくさんあった」と答えられたかと思うんですけど、私の印象では、どちらかというと、「まず3歳児保育をどの園でも始めてほしい」という声が多かったように思ったんです。あとは、「北部に公立の保育園がないので、それを設置してほしい」、多分この2つがすごく多かったのではないかなと私は感じました。北部に公立の保育施設を造るというのは、この中で実現できるだろうというふうなことでつくられているかと思うんですけれども。パブリックコメントの中には、まず、どの園も3歳児保育を始めれば、自然と、人数が少ない園というのは、小規模校というのはそこそこの人数になるんじゃないかというふうなお答えもあったんですよ。そのパブリックコメントに対しての回答というのが割と画一的でしたので、どういう理由でできないんだというところがあまり伝わっていないのではないかなと思うんです。設備の面、あとは人手不足。先ほど高橋委員もおっしゃったんですけれども、やはり、こういう理由でできないんですというふうなことを分かるように説明しなければいけないと思うんですよ。片やこっちでは新しい動きがあるので、そういうふうなことにお金をかけるのであれば、こっちにお金をまずかけてみたら、自然と自分の近くの幼稚園が1つ減らなくて済むんじゃないかという考えを持たれるのは、ごくごく当たり前のことなのではないかなというふうに私は思いました。なので、そういったところのご説明ですね。例えば、1つの園で3歳児保育を始めるに当たっても、絶対的に部屋の数が足りない、建てるとなったら幾らかかる、幾らかかるお金をもっとこっちに回せばもっとたくさんの子どもを受け入れる施設が出来上がるとか、そういうふうなことでご説明がないと、保護者の方もあのパブリックコメントの回答だけでは伝わらないのではないかなと私は思いました。やはり選択肢を残すという意味では、もちろん小規模でも近くに幼稚園があったほうがいいというお考えの方もたくさんいらっしゃると思うんですよ。その中で、公私連携ということも、答申の中にもありましたよね、公私連携のものを活用して、民間の活力を導入してというような答えもあったんですけれども、全体としてパブリックコメントの要望の内容と答申の内容、それで、そういったものをまとめられた方針案というのは、全てがイコールで結ばれているわけではないと思うので、パブリックコメントで要望の強かったものに対して、きちんとしたお答えが必要かと思います。それを今後どのようにされていくのかということも一言お考えをお聞きしておきたいんですけども、いかがでしょうか。

教育委員会事務局長
3歳児保育を実施する際に、まず施設の状況、駐車場があるかや、保育士を確保できるかといった問題があり、全ての園で実施するのは2021年度時点ではできなかった。地域性を考慮し、施設面を考えた上で3園を選択したが、今、この再編案も含めて、3歳児の教育・保育というニーズはまだまだあると認識している。ただ、やはり現状でも全てを実施するのに難しい面がある。まずは、ある一定の規模に集約していきたい。その上で3歳児保育、あくまでも文科省の幼稚園教育要領、そして、厚労省の保育所保育指針に基づいた、同じ年齢児が国レベルで同じ教育・保育内容を共通できように考えている。その方針をこども園実施と同時に、幼稚園の子どもであっても、保育所の子どもであっても、3歳、4歳、5歳、基本的に同じような教育・保育をしており、3歳児保育を実施している園では、幼稚園の子どもだけではなくて、現在では年間を通じて預かりも可能なので、保育所ニーズの子どもさんも入っている、幅を広げて保護者のニーズにかなうような対応をしているということで、単独の幼稚園、ほかに実施するかどうかは、今後、そのニーズ把握を再度検討した上で、検討材料としては考えていくので、またそれは示していきたい。

矢追もと
私、最初の質問でも言わせていただいたんですけれども、小規模でも内容の特性によって残していく必要がある施設については残していただきたいですし、保護者の方々に再編についてのメリットをしっかりと伝えていただいて、ご要望にお応えできない部分についてはきちんと丁寧に説明をする機会を設けていただきたいと思いますので、その点についてどうぞよろしくお願いいたします。