「市庁舎建設事業等に関する特別委員会」で説明された「分散案」とは

橿原市の本庁舎

11日に行われた「市庁舎建設事業等に関する特別委員会」について

今までの経緯

現在の本庁舎は築60年。進んでいた建て替え計画は、当初の計画より大幅に費用が増大したことと、コロナ禍による財政難を理由として、市長が3月の定例会で白紙に戻す意思を示しました。6月の定例会では、現在地での建て替えを断念し、本庁舎にある機能を既存の施設に分散する案が示されましたが、議員の中では反対者が多数という結果になりました。

今回の委員会では、新たな分散案が説明されました。

この案は、分散にかかる費用を約4億2千万円と見積もっており、前回の分散案より約10億円安い上に、引っ越しが完了する時期も一番早い計画となっています。

本庁舎を建設した場合、当初の計画から規模を縮小しても約57億円とされます。


今回の分散案は、約20年後に現地での建て替えをするまでの「一時的な」分散という位置付けになっています。地方自治法では、本庁舎の所在地を変更するには市議会の3分の2以上の賛成が必要と定められています。

6月定例会で分散案が反対多数となったように、今の状況では計画通り本庁舎を建て替えることに賛成の議員が多く、機能を移転させるのが難しい状況です。しかし「一時的」であれば、3分の2以上の賛成はいらない、というのが理事者の説明です。

20年が「一時的」にはいるのかどうかは、一般的な考えとして正直難しいと思います。

ただし、過去にリーマンショックがあった際、同じように市の財政状況が厳しいものになり、その時は財政が回復するのに約10年かかったとのことです。今回のコロナ禍も先が見えない状況で、今を乗り越えるために何が必要なのかを長期的な目線で考えなければなりません。

20年後であれば、その時の人口規模や、デジタル化、働き方改革などによる業務形態の変化に対応した本庁舎を建てられるメリットもあります。

ただ、20年後に現地へもどってくるとなると、本庁舎を解体後の跡地利用も限定的なものになるため、ベストの方法とも考えられません。

市の財政難により、市役所ではどの部局も来年度は一律20%の予算削減を目標にと伝えられています。

また、いずれ人口が減ることにより、今後老朽化する市の施設については廃止や統合、空いた施設の利活用などが進められます。

本庁舎の建設で財政を圧迫することがないのか、市民の生活が守られるのか、分散案の方が総合的に市民へのメリットが大きい可能性があるのであれば、積極的に議論しなければならないのではと考えます。

9月の定例会では、とくに財政面で、建設案と分散案のどちらにメリットがあるか、具体的に比較できる資料の提出を市に要望しています。